「め組の大吾 救国のオレンジ」(講談社)

「め組の大吾」20年ぶりの続編!エリート集団“レスキュー隊”命がけの救助のリアル

「め組の大吾 救国のオレンジ」

消防に使命を抱く若者たち

「週刊少年サンデー」で1995年から1999年にかけて連載、1996年に小学館漫画賞、1998年に第2回文化庁メディア芸術祭でマンガ部門優秀賞を受賞した「め組の大吾」(曽田正人)。20年の時を超え、その“新作”となる「め組の大吾 救国のオレンジ」(曽田正人/冨山玖呂)が、「月刊少年マガジン」にて連載中だ。

最新第3巻が10月15日に発売!

あらすじを見てみよう。

消防官の斧田駿は、特別救助技術研修で同じく特別救助隊員を目指す十朱大吾、中村雪と出会う。研修終了から半年、救助隊に拝命された駿は、一足先に救助隊に所属する大吾とともに、火事や災害といった人命危機の現場へと立ち向かうことになる。

前作の主人公・朝比奈大吾に代わり、本作は「斧田駿」「十朱大吾」「中村雪」という、若手消防士3人の成長物語となっている。

 

舞台となるのは「特別救助隊」、通称「オレンジ」。オレンジ色の救助服が特徴で、“レスキュー隊”とも呼ばれている。その道のりは難関で、「救助選抜試験」を突破し「特別救助技術研修」を修了した者にだけ「特別救助隊員」になる資格が与えられる。東京消防庁にて資格を得た者は、セントバーナードが刺繍されたワッペンを手にする。この資格は「階級」とは別の、精鋭部隊としての証である。

24時間体制の消防官

物語には消防に関わる知識もふんだんに取り入れられている。本記事ではその一部をご紹介しよう。

消防官の仕事は、朝8時から始まり翌朝の8時まで24時間続く。「大交替」に始まり、前日勤務していた非番隊から業務を引き継ぐ。大交替に続き救助資器材の点検をした後は、訓練や事務仕事を行う。総務・警防・予防など、それぞれ課員としての職務がある。災害出場に関する報告書や、火災予防、火災調査、住民の防災指導、消防署の庶務など、災害現場以外にも多岐にわたる仕事をしている。

消防署の職員は、「一部」「二部」「三部」と隊を振り分けられ、交替で働く。本作の主人公である駿と大吾は不破救助「二部」に属しているが、「一部」「三部」の隊員と交替で勤務しているということだ。一緒に働く時間はあまりないが、同じ地域を守る大切な仲間である。

腹が減っては戦ができぬ!ーー「食当」

24時間勤務するといっても、英気を養う食事休憩の時間はしっかりある。昼食は各々食べるが、夜ご飯と翌日の朝ご飯は、食事当番、略して「食当」が全員分用意する。

消防署によって慣習は異なるが、正月などの特別な勤務日には、普段食当をやらない隊長クラスの上司たちが、日頃の恩返しとして食事を振る舞う所もあるようだ。

消防官の相棒「消防車両」

「消防車両」といえば、放水するポンプ車、高い位置にいる要救助者を救助するはしご車などがイメージしやすいでしょうか。それに加えて、救助隊員が乗る救助車、現場に指揮官者等が向かうための指揮・支援系車、通常の放水では対応が難しい火災に化学消化剤で対応する化学消防車などなど…用途によって車両の種類は多岐に亘る。更に、それぞれの車両の中でも細かな機能で細分化され、東京消防庁では30種類以上の車両が活躍中。そして、技術の進歩や機能の進化により、消防車両は日々進化を続けている。

消防車両を操る「機関員」と呼ばれる人々。「消防車両」は、実技試験と筆記試験を通過し資格を得た消防官だけが操縦を許される。彼らは「機関員」と呼ばれ、「普通機関員」「ポンプ機関員」「特別操作機関員」など、運転する車両の大きさや装備により個別の資格が必要になる。本作の舞台となる不破二部救助隊では、椿消防士長が「機関員」を担っている。 

「め組の大吾 救国のオレンジ」より(講談社)

いかがだろうか。「特別救助隊」をめぐる様々なドラマや知識が展開する「め組の大吾 救国のオレンジ」。若者たちの熱い物語をぜひ堪能してほしい。

曽田正人/東京都出身。1990年『GET ROCK!』でデビュー。代表作に『シャカリキ!』『昴』『capeta』などがある。『め組の大吾』では、第42回小学館漫画賞を受賞した。現在月刊少年マガジンにて『め組の大吾 救国のオレンジ』を連載中。

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