山中伸弥教授の「規則正しい生活」早寝早起き朝ごはんで心を鍛える

山中教授、同級生の小児脳科学者と子育てを語る(3)
これまでいくつかの書籍を刊行してきたノーベル賞科学者・山中伸弥教授だが、「子育て」について書いた​本はまだ一冊もない。どうすればわが子が山中教授のように育つのか?を知りたい全国の親御さんに届ける子育て本『山中教授、同級生の小児脳科学者と子育てを語る』が10月22日発売。
神戸大学医学部時代の同級生で、山中教授の「勉学の恩人」でもあった小児脳科学者・成田奈緒子医師が、山中教授がこれまで語ったことのない本音を引き出します。

早寝早起き朝ごはんがすべての基本

成田 山中君は小さいとき、家にひとりで寂しくなかった?
山中 あまり寂しいとは感じなかったね。小学3年生までは両親が働く町工場と同じ建物に住んでたしね。それに、夕方になると母親は家に帰ってきて、夕ごはんを作ってくれた。栄養のことをよく考えてくれていたと思う。中学から柔道を始めたから、体力も消耗する。しっかり栄養のある食事を工夫してくれたよね。

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成田 なるほど。食事は、重要なんだよ。きちんとお腹を空かせて食事を摂って満足することは、間脳や延髄の中枢をきちんと刺激するので、基本的な情動がコントロールされやすくなります。空腹だとついイライラしてしまう案件でも、満足な食事の後なら余裕の笑顔で対処できたりするでしょう。

山中 なるほど、そうなんや。僕ね、実は好き嫌いが多くて魚や野菜が苦手やったの。母が野菜を工夫して食べやすくしてくれました。

成田 小さいときに好き嫌いがあるのは当たり前だけれども、食欲が起きて食べる、食べて満足する、を繰り返すことで味覚の分化が起こり、さらに「知識」として「これは体にいい」とか「これはすごく長い時間煮込んで作る」なんていう情報が加味されることで少しずつ受容できる範囲が広がるよね。

山中 母は5年くらい前に他界しましたが、今でも「母の味」が懐かしいです。

成田 早寝早起きさせているし、食事も丁寧につくっていらっしゃる。こころも体も丈夫に育ったのは、お母さんのおかげだね。そう考えると、うちの母親も、悪いところばっかりでもないんだよ。

山中 というのは?

成田 一番は、「早寝早起き朝ごはん」。幼児期から夜は8時に寝かされて、朝は5時、6時起き。この習慣をきちんとつけてもらったからこそ、確実に脳が育ったと思う。だからこそ、小学校から大学まであれだけの心理的ストレスがありながら、こころが壊れなかったのだろうと思います。

 

山中 成田さんが小児科医になって、子どもの脳について研究したからこそ実感するところやね。

成田 そうね。そこはもう本当に感謝です。すごく生真面目な人だったから、大事な習慣をつけてもらえました。

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