『雨夜の月』(くずしろ/講談社)

気になるクラスメイトは「耳が不自由」だった…女子高生2人の繊細な物語が泣ける

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『兄の嫁と暮らしています。』(スクウェア・エニックス)、『笑顔のたえない職場です。』(講談社)など、様々な女子たちの“関係性”を描き続けてきた漫画家くずしろさん。その最新作である『雨夜の月』の単行本第1巻が、10月20日より発売される。

本作の主人公は感音性難聴という障害を抱える女子高生。心を閉ざしてきた少女と彼女を理解したいもう一人の少女、そしてその周囲の人々のふれあいを繊細に描き、SNSを中心に支持を集めている。

『雨夜の月』第1巻が10月20日より発売!

あらすじを見てみよう。

金田一咲希は高校入学直前のある日、ピアノレッスンに向かう途中で見知らぬ同世代の少女とぶつかり手を擦りむくが、相手から無言で落とした楽譜を丁寧に拾われ絆創膏をもらう。

咲希は印象的だったその少女とクラスメイトとして再会し、名前が及川奏音、そして耳が不自由だと知る。学校では障害を理由に周囲と距離を置く奏音に、淋しさを覚えた咲希はどうにか分かり合おうとし、そんな彼女の姿に奏音の態度も次第に変わっていき…。

『雨夜の月』(講談社)
 

“目には見えないもの”をテーマに

作者のくずしろさんは、感音性難聴をテーマに選んだ理由や本作への反響についてこう話す。

「担当編集と打ち合わせる中で、 “目には見えないもの”をテーマにしようというのがまず決まりました。その中で主人公のうちの1人は、障害そのものもそうですし、それに伴う影響や困難なども外から分かりにくい聴覚障害について描こうということになりました。

担当編集づてになりますが、中途失聴者や難聴者の方、そのご家族からも共感していただいている、もしくは聴覚障害者とこれまで接する機会がなかった方から、この漫画を通じて聴覚障害についても考えるきっかけになったというお声があったとはうかがっております」

2人の少女の、目には見えないもの、かけがえのないこと。時にぶつかり合いながらも、互いに少しずつ分かり合ってゆく少女たち――青春譚の今後に注目したい。

くずしろ/漫画家。精力的に作品を発表し続け、コミックDAYSでは『雨夜の月』『笑顔のたえない職場です。』同時連載の他、『兄の嫁と暮らしています。』『永世乙女の戦い方』など複数の作品を連載中。Twitter→@kuzushiro

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