2021.10.22
# 企業・経営

日本人の「仕事の満足度」はなぜ世界最低レベルなのか…その「背景」と「働きがい」改革の方法

前川 孝雄 プロフィール

働きやすさの改善の先にあるもの

アメリカの心理学者F.ハーズバーグの「動機づけ・衛生理論」をもとに、働きがいと働きやすさの関係を考えてみよう。ハーズバーグは、職場の労働環境、条件、人間関係、給料等を「衛生要因」とした。いわば働きやすさを整えるものだが、これらをいくら充実させても、働く個々人の不満足は減るものの、「満足を増やす」ことは難しいと主張した。

また、一度得た権益に人はすぐに慣れてしまい、これが低下すれば不満を感じるという。これに対し、仕事内容そのもの、責任、顧客や同僚・上司からの承認、達成感などを「動機づけ要因」とし、これらが増せば仕事の満足度は高まるとした。つまり「働きがい」が向上するのである。

長時間労働是正や在宅勤務などの働く環境改善や休暇・給料増額など、現在政府が主導する働き方改革は「衛生要因」の改善が主だ。しかし、真の改革のためには「動機づけ要因」に着目することが大事ではないだろうか。

「働く」とは、文字どおり「人のために動く」ことだ。そして「働きがい」とは「人のために動く喜び」である。顧客満足や社会への貢献をめざす仕事に使命感と責任感を持って主体的に打ち込むことが、価値のある仕事を創り出し、「働きがい」を得ることに結びつくのである

 

本当に大切なのは一人ひとりの「働きがい」

したがって、企業は、従業員一人ひとりの「働きがい」——「動機づけ要因」の向上に努めなければならない。また、従業員側も、「やらされ感がいっぱいだ」と不満を言うばかりではなく、自ら日々の仕事に「働きがい」を見出せるように仕事を創意工夫し、経営者や上司に対して必要な相談や改善提案を積極的に行うなど、自責思考でできるところから行動を起こす姿勢が求められている。

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