日本がいよいよ「貧しい国」になってきた…! この国を「貧乏」にしている“本当の原因”

加谷 珪一 プロフィール

物価の違いを考慮した日本円の各国通貨に対する為替レート(実質実効為替レート)を見ると、現在の為替水準は1970年代半ばとほぼ同水準であり、現時点における日米の賃金格差も70年代のレベルまで拡大している。言い方を変えれば、日本はすでに事実上、1ドル=200円程度の貧しい時代に逆戻りしていることになる。

近年「生活が苦しくなった」「日本が貧しくなった」と感じる人が増えているのはこれが原因だが、こうしたところに到来したのが今回の物価高騰である。しかも困った事に、海外の物価上昇に加え、名目上の為替も円安が進み始めている。9月後半まで1ドル=110円前後だったドル円相場は、10月に入って1ドル=114円を突破した。このまま円の下落が続いた場合、海外の物価高に円安というダブルパンチになってしまう。

〔PHOTO〕iStock
 

かつて日本は輸出大国だったが、現在ではむしろ輸入大国となっており、原油や天然ガスなどエネルギー関連で約10兆円、電気機器類で約12兆円、衣類などで約3兆円、医薬品で約3兆円、食品類で約7兆円など、合計で年間約70兆円の輸入を行っている。輸入された原材料や部品の一定割合は最終製品として再輸出されるが、残りは日本国内で消費される。

過去10年における全世界の平均物価上昇率は3.3%だったので、日本は同じ金額で買える輸入品の量を3.3%ずつ減らしてきた計算になる。70兆円という輸入金額に単純にこの数字を当てはめれば2.3兆円であり、この金額分だけ日本人は毎年、損をしていると思って良い。このまま資源価格の高騰と円安が続いた場合、全世界の物価上昇率もさらに上がるので、日本人が被る損失はさらに巨額となるだろう。

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