2021.10.20

BUMP OF CHICKENの「なないろ」と「過去の名曲」をつなぐ"3つの共通点"

この観点から「なないろ」で印象的なものはいくつかありますが、象徴的なのは以下のフレーズです。

〈治らない古い傷は 無かったかのように隠す お日様が
昼間の星と同じだね 本当は キラキラ キラキラ
この街中に〉

「古い傷」は、調子のいいとき(太陽が輝くとき)には自分の奥底に隠れているけれど、恒星がじつは昼間にも輝いているように、ひそかに自分を構成するかけらとしてつねに存在し続けている。続く「この街中に」という表現は、様々な人たちに固有のそれぞれの「傷」が、この世界の各所でおのおのの出番を待っているイメージを喚起します。〈キラキラ〉という擬態語が、キラキラとしたギターとも相まって感動的です。

 

「擦りむいた傷をちゃんと見るんだ」

では、バンプの過去の名曲においては、〈傷〉はどのように捉えられているでしょうか。たとえば、初音ミクとのコラボで話題になった「ray」(2014年、以下曲名の後のカッコはリリース年を示します)にはこんなフレーズがあります。

〈大丈夫だ
あの痛みは 忘れたって消えやしない〉

ここでもやはり、痛みや傷はたとえ忘れられたとしても、自分の奥底でたしかに息づいているものだという姿勢が垣間見えます。

よりストレートで力強い印象を残すのが、「ダイヤモンド」(2000年)です。

〈何回転んだっていいさ 擦りむいた傷をちゃんと見るんだ
真紅の血が輝いて 君は生きてると教えてる
固いアスファルトの上に雫になって落ちて
今までどこをどうやって歩いてきたのかを教えてる〉

ここでは、傷つきが自己を構成するかけがえのないものとして明確に捉えられています。

少し変化球的に「プラネタリウム」(2005年)を挙げることもできるかもしれません。字数の関係で詳述は避けますが、この曲では〈傷付かず 傷付けないままで 君をついに閉じ込めた〉というフレーズ(「君」は心に秘めた夢のようなものだと思ってください)が、何かを達成するためには傷つきは避けがたいということを逆説的に示しているように見えます。

関連記事

おすすめの記事