BUMP OF CHICKENの「なないろ」と「過去の名曲」をつなぐ"3つの共通点"

BUMP OF CHICKENの「なないろ」は、この半年の間、NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』の主題歌として、毎朝多くの人が耳にするところとなりました。

わたしも「なないろ」に深い感動を与えられた一人です。とりわけ、この曲を何度か聴くうちに、楽曲の内部に「純粋な少年と心優しい老人」が同居しているような複雑で独特の魅力を感じるようになりました。

ところで、「なないろ」の歌詞には、BUMP OF CHICKEN(以下、基本的に「バンプ」と略します)の「過去の名曲」とのリンクが各所で見られます。それがよりいっそう曲の味わいを深めていることでしょう。

本稿では、「なないろ」とバンプの過去の名曲との共通点について、〈傷の受け入れ〉〈初期衝動への信頼〉〈内なる子供への愛〉という3つの視点から考えていきます。

そしてじつはそれらが、「なないろ」の持つ「少年と老人」が同居するような独特の魅力につながっていることを示したいと思います。

 

「治らない古い傷は」

まずは〈傷の受け入れ〉という視点から。

1999年にファーストアルバム「FLAME VEIN」を出して以来、バンプは「若者の傷つきやすい心情を歌う」といった語彙で評価されることが多々あります(おそらくメンバーの繊細そうな外見も評価に影響を与えていると思います)。しかし、たしかに「傷」を頻繁に歌ってはいるのですが、よく歌詞に注目してみると、そこには傷への耽溺や、傷ついた経験への恨みがましさなど、暗さはそれほど見られません。

むしろ、ネガティブな経験、傷ついた過去をなんとかして受け止め、保持し、決して手放すことなく、それらを自分に固有の経験として肯定し、自己へ統合していくことへの志向を描く歌詞が多く登場します。そこには、ネガティブな経験や傷つきでさえも(それこそが?)、自分を構成するかけがえのないピースであるという考え方もうかがえます。こうした特徴を本稿では〈傷の受け入れ〉と呼んでいます。

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