手に届く範囲で、「おかしいな」と
思うことがあったら伝えていきたい

昨年、初のエッセイ集『わたしもかわいく生まれたかったな』を上梓した、お笑いコンビ・たんぽぽの川村エミコさん。幼少期に「あまり綺麗なほうではない」と実父から言われた思い出や、「粘土」と呼ばれた小学生時代など、自身の経験を優しい筆致で綴っている。

「『粘土』というあだ名は、『全然動かないし、粘土の塊みたいだな』と同じクラスのTくんに言われたのがきっかけでした。でも全然嫌じゃなかったのは、優しさがあったから。“あだ名が粘土=悪”ではなく、“いじめ=悪”なのです」

“いじられる”こと自体は嬉しいと話す川村さんだが、悪意のある“いじり”に遭遇する場面も。

「ライブのエンディングで『川村、かわいいなぁ~』と突然言われ、すごく悪意を感じました。嫌な気持ちになりましたが、『そしたら結婚してもらお~。責任取ってくださいよ!』と笑顔で言いました。その場が変な空気になるほうが嫌だったので、ノリながら、発した言葉に責任を持ってもらうような伝えかたをする。また、いけないことを言っている自覚を持ってもらうために、『イエローカード!』『孫の代まで恨みまーす!』などポップに言葉を足しています」

-AD-

ジェンダーやダイバーシティについて表立って発信しているわけではないが、「少しでも理解して、自分の中の無意識のうちに生まれてしまった間違いなどを常に軌道修正していけたら」と川村さん。気をつけて意識しているのは、関係性に「上下をつくらないこと」。

「好き嫌いや、得意や苦手はあると思うのです。左右はあってよいと思います。でも、そこに上下があるのはよくないんじゃないかな」

川村エミコ(かわむら・えみこ)
1979年生まれ、神奈川県出身。2008年、白鳥久美子とともにお笑いコンビ・たんぽぽを結成。集英社のウェブメディア『よみタイ』にて連載していた『わたしもかわいく生まれたかったな』をもとにした同名書籍が、昨年、初のエッセイ集として集英社より発売された。