本当にヒットしているのか
3.本当はそんなにヒットしていない?
「これはマーケティングが上手いといっていいだろう。K-POP然り、国をあげて再生数を上げる努力をしたり、広告を使って何かの1位やオススメにどうにか乗っけることをしたりしている気が。そうすればみんな『見てみようかな』となるもんな」
「韓国は“〇〇初”とか“〇〇1位”とか多いけど、見てみるとたいしたことないものや、過去作品のパクリということが多い。これもいつものゴリ押し」
「正直、つまらなくもないが、それほどでは全然なかった。考えすぎかもしれないが、意図的に操作されたランキングに見えてしまう」etc.
『イカゲーム』は、そのヒットの一因として“分かりやすさ”が挙げられている。出てくるゲームはアジア圏ではなじみ深い「だるまさんがころんだ」や「綱引き」、「ビー玉遊び」などだ。が、これらはルールが非常にシンプルで、初めて知る海外の人もすぐ理解できる。
また、ゲーム参加者は全員緑色のジャージ、ゲーム側の人間は仮面に赤い作業着(これもネットフリックスの人気スペインドラマ『ペーパー・ハウス』のパクリと言われているが……)で統一されている。アジア人の顔はみんな同じに見える、という欧米への対策もしっかり取られている印象だ。
実際に国を挙げてのプロパガンダがあったのかは分からないが、最初から世界を見据えた作品作り、という戦略はしっかりとあったようだ。その点、日本は何かにつけて“ガラパゴス化”と言われるように、独自の情緒や間を大事にした作品作りがいまだ続いている。
似ていると言われる、同じネットフリックス配信のデスゲームドラマ『今際の国のアリス』も、日本ネットフリックスでは1位になるなど充分にヒットしたが、世界ではイマイチだった。この差は、世界を見据えた作品作りかそうでなかったか、が一因になっているのは間違いないだろう。
日本における、『イカゲーム』にハマれなかった人たちの主な理由は上記のようなものだ。これが果たして日本だけにおける反応なのか、あるいは、本当は世界でも言われるほどブームになっていないのか。本当に面白い作品なら、何もしなくてもジワジワと勢いが増してくることこそあれ、尻すぼみになることはないはずだ。その真価は、時間が教えてくれることだろう。