「女は面白くない」という幻想を壊す、
若手芸人の台頭

西澤千央さん

学生時代からお笑いが好きで、よく銀座7丁目劇場に行っていました。ライターをはじめてからは、芸人さんに取材をする機会もいただいています。女性芸人の日本一を決める賞レースに「女芸人No.1決定戦THE W」があります。開催当初は批判の声も多く、私自身も性別で括るお笑いの賞レースは果たして必要なのかと疑問を持っていました。

しかし5年目に入り、優勝者が確実に売れていて、ちゃんと結果を残している。そして女性同士を競わせるというよりは、ある種シスターフッド的な役割を果たしているのではないかと思います。笑いは関係性なので、こういった大会の場で女性芸人同士が関係性を築いたり、実際にお客さんに絡みを見せたりすることで笑えることが多くなります。大手事務所以外は劇場を持っているところもあまりないので、まず女性芸人がテレビに出られる機会をつくり、ネタを本気で頑張るという土壌を築いた大会の功績は大きいと思います。

今まで「女の話にはオチがない」などと言われ、一般的に女性は面白くないと思われてきました。それを見返してやりたいという理由で芸人になった人の話も多く聞いています。現在活躍している男女コンビの蛙亭、ラランド、納言などは、“男女間のあるある”というわかりやすいネタを使っていません。エロや性をネタに入れることもあるし、それがとても新鮮に映ります。才能ある若手芸人の台頭で空気が変わってきていると感じます。

西澤千央 にしざわ・ちひろ
フリーライター。『クイック・ジャパン』(太田出版)や『GINZA』(マガジンハウス)などで執筆。数多くの芸人インタビューを手がけている。文春オンラインで「女芸人の今」を連載中。

●情報は、FRaU2021年8月号発売時点のものです。
Illustration:Takashi Nakamura Text & Edit:Saki Miyahara

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