健康を保つためなのに許されない校則

日本人しかいない前提で動いている「校則」もたくさんある。先日、私が校則の問題についてTwitterに投稿したら、想像した以上に拡散されて、いろんなメディアから取材の依頼が来た。

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ツイートした内容は、友人の娘の話だった。彼女は黒人のハーフで、中学に入学してすぐ、三つ編みは校則違反と言われたという。生徒手帳に三つ編みはダメだと書いていないけど、数人の先生に囲まれて、そう言われたのだ。最初、学校の教師からは、「私はあなたのことをよく知らない。あなたの髪の毛のことも知らない。だから、知りたい。この髪形、三つ編みじゃないとダメですか?」と問われたという。「この先生は、娘を理解しようとしている」とお母さんは最初感じたというが、結局、三つ編みは校則違反だからダメだという結論になった。

その後、母親は、「この三つ編みはお洒落の目的じゃない。健康的な髪の毛の状態を保つためだ」と学校に説明したら、「2本の三つ編みの許可」が出た。

ここまでの話で、「なぜ三つ編みにそこまでこだわるの?」「2本の三つ編みでも許可が出たのであれば、それでいいじゃない」と思うかもしれない。しかし、黒人の方の髪質は日本人とは大きく異なっている。2本の三つ編みでも髪の毛や頭皮がすごく傷んでしまうのだ。髪の毛や頭皮に負担をかけないためには、8本以上の三つ編みが必要だと言われている。

黒人の方の髪の毛は三つ編みにしないと爆発した状態になってしまう。写真提供/アン・クレシーニ
髪や地肌を健康に保つためには小分けにに8本ぐらいの三つ編みにするのが理想的だ。写真提供/アン・クレシーニ

もう少しだけ黒人の方の髪の毛について説明する。強くカールした髪と頭皮は乾燥しやすく、週一回しか髪が洗えない。洗いすぎると髪が痛み、頭皮が乾燥し、傷ついてしまうこともある。洗髪する日を『wash day』と呼び、いつ洗うか決めているという。そして、髪を洗った後、濡れたまま三つ編みにする。乾いてからでは広がって三つ編みにできないからだ。このとき2本の三つ編みだと、一本の束の量があまりにも多すぎるので、なかなか乾かないし、ブラッシングができなくなる。そして、髪の毛が臭くなる。そんなこともあり、8~10本の三つ編みにしたほうが、健康的な髪の状態を保てるのだ。

お母さんも娘さんもしばらくの間、2本の三つ編みで我慢をした。だが、あまりにも髪の毛が傷みすぎて、もう一回学校に相談しに行った。その結果、「週に1回(洗髪の次の日)のみ4本の三つ編みにしていい」という許可が出た。これを聞いた時に、正直その根拠はどこにあるのか、誰かが適当に決めた印象が否めないと感じた。