「ソーシャルメディア有害論」が、アメリカで盛り上がってきた背景

インスタ利用は「喫煙」と同じ?
池田 純一 プロフィール

Facebookはタバコと変わらない

おそらく、今回公開された記事の中で最も関心を呼んだのは、第2回のInstagramが10代少女に与える影響についての回だろう。実際、当初の5回分の報告のうち、この第2回の記事だけは他のものと少し毛色が違っていた。この回だけが、直接、ソーシャルメディアサービスがユーザーへ与える悪影響について取り上げていたからだ。第6回の記事も、そうした第2回の影響があればこそのものだったのかもしれない。

実際、第2回の内容に対しては、連邦議会議員も即座に反応を示した。なぜなら、第2回の報告によれば、Facebookという企業の経営陣が、InstagramというFacebook傘下のサービスを利用すると利用者に心身的な悪影響を与えることを知りながら、その事実を隠蔽しただけでなく、むしろInstagramの利用を促し、新たなユーザーの獲得を求め続けたからだ。

この報道を聞いて、民主党のリチャード・ブルメンソール上院議員(コネチカット州選出)は、人体に有害な商品であるとわかった上でそれを社会に広め続けるFacebookの行動はかつてのタバコ会社と変わらない、と強く非難した。

民主党のリチャード・ブルメンソール上院議員[Photo by gettyimages]
 

ブルメンソール議員は、共和党のマーシャ・ブラックバーン上院議員(テネシー州選出)とともにFacebook内に隠匿されたInstagramについての調査報告の公表を求め、9月30日には彼が座長を務める商務委員会のパネルで公聴会も開催した。

翻って、第2回以外の報告に目を向けてみると、いずれもユーザーの行動や反応ありきの問題で、Facebookに直接非があるというよりは監督責任が問われるものである。もちろん、XCheckのようなユーザーのランク付けは、それが公にされれば醜聞になることは必至だが、しかし、それとて会社としての対応が不誠実であるというそしりから、Facebookの評判が落ちるだけのことだ。

一方、人身売買や麻薬取引に利用されるケースについては、そのような違法行為を放置したままであれば社会的叱責は免れないが、しかし、悪事を働いているのはFacebook自身ではない。アンタイ・ヴァクサーたちの反抗も、混乱の源は活動家たちにある。

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