「ソーシャルメディア有害論」が、アメリカで盛り上がってきた背景

インスタ利用は「喫煙」と同じ?
池田 純一 プロフィール

エンゲージメントの向上は、Facebookの収益源である広告収入の確保に不可欠な条件であるため、アルゴリズムの変更は常に検討対象である。その分、Facebookの今後を占う上でも見逃せない内容だ。同時に、アルゴリズムによって人びとの感情が容易に左右され得ることを示す事例でもある。

第4回では、これまでにも何度か報道されてきたことではあるが、麻薬カルテルや人身売買組織がFacebookを使って取引の勧誘や人員のリクルートを行っている事実が報告された。こうした違法組織の運営にFacebookが利用されている。被害者の発言も紹介され、その痛ましさが伝わってくる。

第5回では、コロナ禍の下でFacebookが行ったワクチン接種の促進活動がもたらした社会的混沌が伝えられた。CEOのマーク・ザッカーバーグは、公衆衛生についてはかねてから強い関心を示し、CZI(Chang Zuckerberg Initiative)という財団も設置していた。そのため、常日頃Facebookは中立な仲介者であるという立場を取り続けてきた彼にしては珍しく、ワクチン接種を促す立場を選んだわけだ。

FacebookのCEOマーク・ザッカーバーグ[Photo by gettyimages]
 

ところが実際にその促進活動を始めると、Facebook上ではワクチン反対者(アンタイ・ヴァクサー)たちのコメントのほうが流通してしまうという、想定を超えた抵抗にあってしまった。ザッカーバーグの意向すらもはやFacebook上では簡単には実現されない事例でもある。

そして第6回では、Tik-TokやSnapchatとの競争に対して、Facebookで進められる子ども向けのInstagramの開発事情が説明された。

以上が、2021年9月30日時点で公開された内容である。第1回から第5回までが、2021年9月13日から9月17日まで毎日更新されていたのに対して、第6回は10日ほどあけた9月28日の更新だった。この間、タイムラグがあったことから、もしかしたら想定していた以上の反響を呼び起こしたため、WSJもこれならいけると判断したのかもしれない。

いずれも内部資料に基づく一種の暴露記事なので、その真偽のほどについては、今後の公式な調査を待たなければならない。

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