Photo by gettyimages

「ソーシャルメディア有害論」が、アメリカで盛り上がってきた背景

インスタ利用は「喫煙」と同じ?

暴かれたFacebookの「もう一つの顔」

この9月半ばに唐突に始まったWall Street Journal(WSJ)の特集が、Facebookの今後に新たな影を落としている。

その名もFacebook Files。

Photo by gettyimages
 

いわゆる調査報道(Investigating Report)の類いで、WSJの記者が手に入れたFacebookの内部資料、内部文書をもとに記されたFacebookの内情という趣だ。公開をためらった内容である点で、Facebookの現在抱えている問題を示すとともに、それらの扱いに困惑する経営陣の様子も伝えている。

最初は5日連続の掲載だったので全5回の特集かと思っていたら、その後も新たな報告が加えられた。不定期の掲載も含めて、このFacebookの極秘資料を暴く「ファイル」は今後も積み上がっていくのかもしれない。

まずはこれまでの内容を振り返っておこう。

第1回では、Facebookへの投稿の内容審査において、いわゆるセレブリティのユーザーを優遇するXCheck(クロスチェック)という仕組みが存在し、ダブルスタンダードになっていることが明らかにされた。

このXCheckの恩恵に預かれるセレブは2020年時点でおおよそ580万人だったという。数百万人の規模というと、なんだ随分多いじゃないかと感じる人もいるかもしれない。だが、現在、Facebookの登録者数は全世界で約30億人であることを考えれば、わずか0.2%にすぎない。それら0.2%がいわばFacebookの上級国民なのである。

続く第2回では、Facebook傘下のInstagramが10代の若者、とくに女性のメンタルヘルスに悪影響を及ぼしていることが扱われた。写真や映像の交換を通じて自らの身体イメージに当惑したり幻滅したりした10代の女性が、自身を喪失して鬱になったり、摂食障害を起こしたりするケースが報告されている。Facebookの内部資料によれば、その数は決して少なくはなく、中には自殺を試みる人もいたのだという。

第3回で取り上げられたのは、エンゲージメント促進のためにFacebookが行ったアルゴリズムの変更によって、怒りに満ちた情動的なコメントの流布が促されてしまったという報告だ。

関連記事

おすすめの記事