2021.10.26
# 無印良品

無印良品が、クレームを「85%」も削減できた「超効率的な方法」

「マニュアル」で人材育成すべし
松井 忠三 プロフィール

マニュアルで「人材育成」する

仕事を覚えるのに15年かかるのは、上司から部下に仕事の仕方を口頭で教えるという、いわば“口伝の世界”だったからです。

私は、これを明文化しようと決めました。15年かけていた仕事を、新入社員でもある程度できるようにするために、業務基準書をつくりました。長い時間をかけて覚えていた社員からは、「そんなに短期間で覚えられるわけがない」と反発はありましたが、そこは譲れませんでした。

業務基準書では、経理部の業務は店舗に関する会計だけで11個のカテゴリーに分かれています。クレジットカードや商品券で支払いがあったときの処理の仕方や、新店を開店するときに必要な対応などを具体的に記しています。経理の担当者は、この業務基準書を読みながら手続きを進められるようになっているのです。

この仕組みができてから、経理の担当者はわずか2年間で一通りの仕事を覚えられるようになりました。5年もあれば一人前の経理部員のレベルです。

つまり、マニュアルをつくると人材育成を効率的にできるようになるということです。

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無印良品では課長は全員、3カ月の海外研修に行く決まりになっています。それだけ長期間、課長が不在になったら現場は大混乱しそうですが、毎年大きな混乱もなく現場は普段通りに仕事をしています。

それが可能なのは、業務基準書さえ見れば、仕事の進め方がすべてわかるようになっているからです。部下が判断に迷ったときにそばに上司がいなくても、業務基準書を見ればどう行動すればいいのかがわかる。この仕組みがあるから、課長も自分の研修に打ち込むことができるのです。

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