2021.10.26
# 無印良品

無印良品が、クレームを「85%」も削減できた「超効率的な方法」

「マニュアル」で人材育成すべし
松井 忠三 プロフィール

ミスやトラブルが起きたとき、誰が悪いのかという犯人探しをして責任を追及するのが本来のリスク管理の目的ではありません。同じトラブルを未然に防ぐための判断材料として、その情報を役立てるべきです。そのためにもトラブルの事例はフォーマットをつくって、管理しておくといいでしょう。

無印良品ではこのような体制を整えてから、2002年度下期に7000件を超えていたクレームが、その後右肩下がりになり、2006年度上期以降は1000件台前半を推移しています。これは、重複して起こりうるクレームの発生を未然に防止できた成果だといえると思います。

「一人前になるまで15年」は長すぎる

私が西友で人事の課長に就いたとき、「松井君、経理部の社員が一人前になるのには15年かかるんだよ」と上司に言われたことがあります。

「経理の仕事は、商品会計や財務など、大きく分けると四つぐらいあるが、それを一通り経験するには15年かかる」という話でした。

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そうなると、経理に配属された人は、定年まで経理しか経験できなくなります。入社して15年で経理の仕事を覚えた頃には、40代の中堅社員です。これでは時間がかかりすぎです。その段階で営業や商品開発のような畑違いの部署に異動となっても、何もできないでしょう。だから関連会社に経理として出向するぐらいしか、その先の道は考えられません。すると人材の流動化が進まず、組織が硬直化してしまいます。

この構造は、部署ごとに派閥を生む温床にもなります。経理部の人間は、経理の利益だけを守ろうとし、販売部は販売の利益だけを守ろうとする。これでは会社全体を強くしていくことができません。こういった悪しき習慣をなくすためにも、人の流動化を進める仕組みが必要です。

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