バフェットがまとめ買いの5大総合商社、買い増し候補の勝者と敗者

上げ材料は資源食糧、下げ材料は…?

バフェットの最初の意図

バフェットが日本の総合商社5社の「まとめ買い」に踏み切った理由については、10月6日公開「これが神様バフェット流、大乱でも生き残る優良企業銘柄の見分け方」5ページ「大恐慌でも上がる株はある」文末で紹介した一連の記事で詳しく述べた。

思い切ってまとめれば、「日本を代表する多くの産業を網羅した一種のコングロマリットである総合商社を『日本そのもののインデックス』として買った」と言える。もちろん、日経平均のような純然たる日本株インデックスよりも、優良な事業を多数抱える商社はより高いパフォーマンスを実現するであろうと考えたからである。

言ってみれば「日経平均特選5社」を買ったというのがバフェットの感覚だと思われる。

だから、5社の中ではっきりとした強弱はつけなかったようであるし、また「将来その中の何社かを買い増しする」可能性にも含みを持たせている。

総合商社の時価総額上位については4兆~5兆円規模だが、下位は1兆~2兆円程度だ。バフェットは、ワンショット1000億円以下の取引は(細かくて煩雑なため)避けているし、実際1兆円規模の投資を望んでいる。したがって。我々から見れば総合商社は巨大だが、バフェット(バークシャー)の運用資産から考えれば、総合商社の規模は「まとめ買い」に適していたと言えなくもない。

ウォーレン・バフェット  by Gettyimages

だが、それだけではなく、バフェットは「日本」や「総合商社という業態」に将来性を見出したものの、個別の総合商社のどこが特に成長性を持つのか確信が持てなかったからまとめ買いをしたものと思われる。

試し買いはバフェットがよく用いる手法だ。例えば海外企業への初めての本格的な投資であるペトロチャイナにおいても、SARS騒動がまだ収束していない2003年4月から購入を始めたが、購入量が多いため小分けして購入するだけではなく、はっきりとした期間をあけて、価格が上昇してから買い増しをしている。

どのような確信があっても「まずは石橋をたたいてみて試す」のがバフェット流であり、橋にひび割れがないことを確認した上で「買い増し」をするのだ。安全が確認された後には当然株価が上昇している場合が多く、「最初に全部買っておけば……」と思いがちだがバフェトはそのようなことは意に介さない。「安全が確認されてからの購入でも十分儲かる」との考えだ。そして、むしろ「リスクがわからないときに安値で買うよりも、リスクがすべて明らかになった時に『適切な価格』で購入したい」と考える。

総合商社についてもまだ「試し買い」の段階であり、さらに5社あるいはその中の数社を買い増す可能性は十分あると思う。

 

個人的には5大総合商社に迫る勢いの豊田通商も有望だと思うが、バフェットのお眼鏡にかなうかどうかわからない。また、そもそも米国内市場を中心に投資をしているバフェットがそこまで気にかけているかどうかも不明である。

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