永瀬廉に坂口健太郎…「おかえりモネ」が“ヒロイン男子”を愛でる朝ドラと言える理由

「マイフェアレディ」の逆の構図で
宝泉 薫 プロフィール

とはいえ、朝ドラではこういうパターンが生じがちだ。基本的に、女性主人公のたくましさを描くものなので、男が悲劇的な消え方をするなど、ヒロイン的な運命をたどることも珍しくない。ただ、昔はそこにそれなりの男っぽさを補完してバランスをとってきた。

「おしん」の相手役は戦争協力の責任をとって自決。「澪つくし」の相手役は失恋から立ち直るために軍部の秘密任務に身を投じる、という具合だ。

しかし、ジェンダー観の変化により、男っぽさを無理に補完する必要がなくなってきたのだろう。永瀬は見た目もかなりフェミニンなタイプだ。昨年7月には「櫻井・有吉 THE夜会」(TBS系)のなかで女性顔負けの美脚が話題に。22インチの極細デニムを余裕ではきこなし、みちょぱこと池田美優を「悔しい、なんか」と言わせていた。

「マイフェアレディ」の逆の構図

そんな「ヒロイン男子」が「おかえりモネ」にはまだいる。百音にとっての本命で、医師の菅波光太朗(坂口健太郎)だ。

Gettyimages

こちらにも、男っぽくない要素が入れられている。誰に対しても「です・ます調」で話すとか、投げられたものを捕るのが苦手といったところだ。

ふたりの仲が深まっていく過程では、そこがうまく使われた。遠距離交際になることを知って動揺する百音に「どうしたの?」と初めてタメ口で気遣う場面しかり。すれ違いが続いて拗ねた百音が合鍵を投げて返そうとした際、このときばかりは見事に片手でキャッチして、

「大丈夫です。今後何を投げられても、あなたが投げるものなら僕は全部取ります」

と宣言する場面しかり。ふだんは男っぽくないからこそのギャップ効果で多くの視聴者をキュンとさせた。

 

坂口にはこうした役柄が抜群に似合う。5年前の朝ドラ「とと姉ちゃん」でも、優しく穏やかな研究者を好演。主人公とは気持ちを通じ合わせながらも、おたがいの家庭の事情で二度も別れることとなった。今回の朝ドラではこのまま結ばれるのか、気になるところだ。

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