2021年7月の都議選で女性議員が3割超えた理由

一方で、この7月の東京都議選では女性議員が3割を超えたことが話題になりました。

私が取材した品川区選出の森澤恭子さん(無所属)は当初、8人の有力立候補者のうち世論調査では最下位でしたが、結果的に2位で当選しました。2月の森発言以降、明らかに有権者の中の「空気」が変わったと話してくれました。選択的夫婦別姓や都立高校の男女別定員などについて聞かれることが増え、「今回は女性に入れることは決めている」「もっと女性が活躍できる社会にしてほしい」と声をかけられるようになったそうです。

7月の都議選では女性が過去最高の76人立候補していましたが、政党別に見ると、東京・生活者ネットワークとれいわ新選組が100%、共産58%、都民ファ38%、立憲29%、日本維新の会25%、自民15%、国民民主0%とかなりばらつきがありました。

それ以上に私が注目したのは、メディア各社が実施する候補者アンケートの回答でした。選択的夫婦別姓や同性婚、都議の育休制度についての質問が含まれ、こうした質問に対する回答から各候補のジェンダーに対する価値観、取り組みへの姿勢が明らかになると思ったからです。

選択的夫婦別姓に反対するように都議に出された要望書の筆頭に名を連ねていた高市早苗氏は、自民党の政調会長に就任した Photo by Getty Images
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ただ残念だったのは、自民党の候補者の多くが夫婦別姓や育休制度について「回答なし」を選択していたことです。有権者がジェンダー政策に対する姿勢を候補者を選ぶ指標にしたいと思っても、無回答では判断できません。ぜひ今回の衆院選では賛成、反対どちらにせよ、はっきり姿勢を示していただきたいと思います。

都市部の選挙ということも影響していたと思いますが、都議選では、選択的夫婦別姓の導入について「反対」と答えた15人が全員落選し、当選者のうち7割超は賛成と答えていました。都議の育休制度に対しても当選者のうち賛成は7割、反対はたった2人でした。

迫る衆院選で候補者や政党は、有権者のジェンダーへの関心を追い風にできるのか。それとも逆風にしてしまうのか。また私たち有権者は、何に注目して一票を投じるのか。世の中を変えられるかどうかは、最後は私たちの一票にかかっているのです。
 

2021年10月17日の衆院選前「目指せ!投票率75%」プロジェクト発足

目指せ!投票率75%」プロジェクトでは選挙に向けて様々な情報を発信中。衆院選の争点に関してアンケートをとった結果、多くの人が注目する「争点」を発表しています。1位は「ハラスメントの禁止」3位が「労働環境の男女格差解消」でした。詳しくは公式HPでご確認ください。

〈実行委員メンバー〉
渡辺由美子 NPO法人キッズドア代表
藤沢烈 一般社団法人RCF代表理事)
林 大介    模擬選挙推進ネットワーク代表・事務局長
井田 奈穂 選択的夫婦別姓・全国陳情アクション事務局長
松中 権     ゲイ・アクティビスト
室橋 祐貴 日本若者協議会代表理事
細谷 柊太 NPO法人ドットジェイピー
尾上 瑠菜 NPO法人ドットジェイピー

〈アドバイザー〉
荻上 チキ    一般社団法人社会調査支援機構チキラボ代表
佐藤 大吾    NPO法人ドットジェイピー 理事長
三浦 まり    パリテ・アカデミー共同代表、上智大学法学部教授、政治学者
宮本 聖二 立教大学大学院/Yahoo!ニュース プロデューサー