どうして前向きな感覚が備わったのか

この明るい津久井教生を作ってくれているのは、もちろん日常の生活です。最初から現在までその中心にいたのが妻であることは間違いありません。私は舞台やお仕事の時にはツッコミや一人ボケを得意としているのですが、夫婦での日常は圧倒的にボケをかましていることが多いのです。妻が小気味よくツッコんでくれるので、安心してボケられるという感じです。

妻の雅子さんとおふたりの「夫婦漫才」を介護のサポーターのみなさまが盛り上げてくれる 写真提供/津久井教生
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この夫婦漫才を自宅訪問をしてくれている皆さんが見てくださって、その日常に参加してくださっているという感じで津久井教生が支えられています。言葉に敏感で楽しんでしまう私は、皆さんの言葉を拾うのも大好きなわけで、そこでボケたりツッコんでもらったりしての起こる笑いによって、和やかな雰囲気が絶えないのです。

何度も登場いただいているMケアマネジャーさんもナチュラルな突っ込みの方で、切れ味抜群のツッコミをしてくださいます。初期の体制作りで無事に申請が通った時の私とMケアマネジャーさんとの会話です。

「無事に終わりました、結構頑張りました!」と自慢げに私。
「はい、大変よく頑張りました、特に奥様が」と屈託のない笑顔でMケアマネジャー。
「どっひゃ~、その通りです~」いいツッコみ来た~と感じながら私。
「奥様に感謝ですよ」ますます邪念のない言い方でMケアマネジャー。
「はぁい~、もちろんです」
という感じで、大切なことに気づかせてくれるのです。

D訪問看護の皆さんも初期の段階から我が家に明るい風を吹き込んでくれました。M理学療法士さんの「一人でベッド移乗の技」から始まり、常に全員が笑顔で私と妻に接してくれています。全員がプロフェッショナルであることを嫌みなく見せて、私たち夫婦を安心させてくれたのでした。

特にウケたのが「私がやりました」という名前の足首矯正の装置です。ほっておくと伸びてしまってバレリーナのように固まってしまう足を板で押しやって90度にしていくという仕掛けなのです。これが結構ジーンときつくって初めてやった時に私が思わず「すみません、私がやりました、外してください」と笑いながらボケたので、その名前がつけられました。

「今日は『私がやりました』どうします?」
「どうしようかな~」
「じゃあやりましょ~」
「はい~」
というやり取りで愛情あふれる施術をしていただいて1年、私の足首はしっかりと90度曲がり、可動域も保たれているのです。

「私がやりました」を用いての自主トレ中 写真提供/津久井教生