現状で気持ちが沈んでいるのかというと

相変わらず「津久井さんはポジティブですね、気持ちが沈むことは無いんですか」と聞かれます。全くもって沈んでいないわけではないのですが、「ALS罹患当初よりもずいぶんと落ち着いちゃった」というのが今の感情に近い気がします。時間が経つにつれてALSという難病が分かってきて、先に進んでいる先輩罹患者の方たちと知り合う事で、よりALSでどうなるかが明白になってきて慌てなくなってきたのです。

病状が進むにつれてドンドン落ち込む可能性も当初はありました。そして病状的にはその通りに進んでいるのですが、自分が思ったよりも感情の乱れが少ないようです。もともと、結構行きつくところまでいったら感情の赴くままに精神が呼応するだろうと思っていたのです。そうなったら当事者としてあらわれた感情をとらえて文章にすることも、自然な成り行きとして、IN私としてはありだと思っています。「ええかっこしい」を自任する私は「我慢してカッコつける」のと同じくらいに「そのままの自分をさらけ出す」のもカッコいい事だと思っているのです。

ですから罹患を公表して文章などでお伝えすることを決めてから、基本的には楽しくお伝えしようと思っていました。しかし、いざ重大な局面では「泣きながら・怒りながら・悲しみながら・悔しがりながら」の文章になる可能性を感じていたのです。

-AD-

最初はこういう疑問項目について頭が働きました「何で私なの?」「何が原因なの?」「これからどうすればいいの?」「迷惑にならないの?」などなど。答えがないものと、やってみなければ分からないものばかりです。ですからその時点で悲観的になるよりも「出来る事をやってみる」から物事を始めてみて、「出来ない」と分かったら周囲に相談する。そういうシンプルな事で自分を忙しくしてしまおうと思ったのです。人間は忙しいと余計な事は考えませんもんね(笑)。

そういう理由で、妻やMケアマネジャーさんを始めとした周囲の皆さんに思いっきり頼ったのです。
今現在も、自分はしっかりと状況を伝えて、今やれることを模索しています。
そういう状況を作ってもらったおかげで、キャッチコピーみたいになりますが「落ち込むこともあるけれど、思っていた以上に私は元気です」という状態でいられているのだと思います。

D訪問看護リハビリステーション・Sケアの皆さん。Mケアマネージャーさんもいらっしゃいます 写真提供/津久井教生