ALS(筋萎縮性側索硬化症)を検索すると「感覚があるままに体が動かなくなる病気」という説明が多くあります。もう少し詳しい書き方を探すと「筋肉が動かなくなってしまう」という説明がなされています。そして「現在、効果の認定されている治療法がない」と言われている事で知られています。前回はALSに罹患して2年が経過した現状を中心にお話したところ、色々なところで取り上げられてたくさんの方に読んでいただきました。今回は2年目を迎えて思う津久井教生のALSへの向き合い方の源と、現在の心情などをお話ししていければと思います。
クーガーのように
「速さ」を追及はしたくないんです(笑)
私の2年間でのALS(筋萎縮性側索硬化症)の進行について書いた前回の記事を読んだ多くの方から「早すぎます!」とのコメントをいただきました。確かに足から始まって手に至るまでの動かなくなる時間は短かったと思います。それでもまだ指が少し動くので、やれるだけの事はしていくつもりです。これまで通りに出来る事を模索していくのです。
アニメのキャラクターで速さを追及していく役を演じたことがあるのですが、そのキャラクターの生き様ともかぶるようで「津久井さん、病状進行まで早さを追求しないでください!」という励ましもたくさんいただきました。「いやいや、早さなんか追及してません、かえって病状がスロウリイな方が歓迎です」とキャラクターの声で呟いてしまいました(笑)。
他にも「これまでの連載ではご自分のALSを明るく伝えていたけど、初めて悔しさが伝わる文章でした」という趣旨のコメントもたくさんいただきました。確かにその通りだと思います、普通に経過を書いて思いを乗せてしまいますと、文章は重くなってしまいますものね。本当にそうです、悔しい気持ちはありますもの、やはり心情は文章にのっかるものです。
まだまだ手は動くものだと思い、1年前に予約していた楽器(INSTACHORD)が弾けない事や、妻と再びやろうと思ってずっととっておいたGAMEがベッドのそばのリビングボードから見えるたびに、残念と言う気持ちとまだ負けないという気持ちが交錯します。ギターもヘルパーさんに絃をかえてもらう約束をして、お気に入りのYAMAHAのライトゲージを買ってきてもらっています。気持ちは萎えていないようです(笑)。