銀行業を侵食する次世代暗号通貨「ステーブルコイン」その驚異的高利回りのカラクリ

ゼロ金利時代に年利8%
小林 雅一 プロフィール

ゼロ金利時代に8%の利回り

最近、いわゆる暗号通貨(暗号資産)が「銀行」に代表される伝統的な金融業を浸食し始めている。背景にあるのは「ステーブルコイン(stablecoin)」と呼ばれる次世代の暗号通貨だ。

ビットコインなど従来の暗号通貨は取引市場での値動きが激しく、その価格は予測し難い。これに対しステーブルコインでは、その価値が「ドル」など法定通貨や「金(ゴールド)」などコモディティにペッグ(固定、連動)するよう設計されているので、価格が比較的安定している。このため資産としてよりも、実際の通貨としての役割が期待されている。

代表的なステーブルコインとしては、ドルにペッグされた「テザー」や「USDコイン」等がよく知られている。これらステーブルコインの世界全体における流通量は、今年1月の290億ドル(3兆円以上)から、今年9月半ばには1250億ドル(13兆円以上)と急増している。

BlockFi のウェブサイト
 

米国のニュージャージー州に拠点を構えるスタートアップ企業BlockFiは、ステーブルコインに基づく新たな金融業者の代表だ。それは従来の銀行業とよく似ているが、顧客が手にする利回りは従来よりも桁違いに大きい。

BlockFiの顧客は「テザー」のようなステーブルコインで自らの口座に預金すると、年利8%もの金利収入を得ることができる。日米欧など先進諸国では事実上のゼロ金利時代に、信じられないような高利回りである。これは多少リスキーな取引だが、決して金融詐欺など違法行為によるものではない。

では、BlockFiに代表される新たな金融業者は、合法的な手段に頼りながらも、何故、そこまで旨味のある金融サービスを提供できるのだろうか?

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