2021.10.18
# 貧困

日本人、「他人にやさしくない」うえに「貧乏」になってきていた…!

「自己責任」が行き着く先にあるもの
田中 世紀 プロフィール

同じくアメリカの経済誌『フォーチュン』が2020年に発表した世界のトップ500社には、トヨタが10位にランクインしているものの、100位以内に日本企業は8社のみ。成長著しい中国は、トップ10に3社、トップ100には24社が入っているし、いまだに世界経済を牽引しているアメリカは、34社がトップ100にランクインしている(https://fortune.com/global500)。

高度経済成長期を経て成長著しかった日本をアメリカの社会学者エズラ・ヴォーゲルが「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と評した頃から見ると、落日の一途である。

相対的に「貧しい人」が増えている

次に、どういう人がお金をもっているのか、もっていないのか、またその割合はどうなっているのか、といった所得の国内分布を見てみると、日本は他の先進国と比べて、より多くの人が貧困の問題に直面していることが分かる。

例えば、アメリカでは、マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツやアマゾン・ドット・コムの創業者ジェフ・ベゾスなど、ごくひと握りの大富豪が所得を独り占めしている、とよく言われる。日本でも、一部のお金持ち、例えばソフトバンクグループの孫正義やファーストリテイリングの柳井正、楽天グループの三木谷浩史などが注目されることもある。

Amazonの創業者ジェフ・ベゾス[Photo by gettyimages]
 

しかし、日本では、そうした大富豪への富の集中以上に、大部分の日本国民の所得が下がっていることがより深刻な問題だと思われる。

厚生労働省による2019年の「国民生活基礎調査の概況」によれば、一世帯あたりの平均所得は552万3000円で、ピーク時の1994年(664万2000円)から緩やかな減少傾向にあもちろん、収入の長期的な増減は物価の上昇・下落、消費行動の変化などにも影響されるので、一概には比較できない。しかし、同調査で、半数以上の54.4%の世帯が「生活が苦しい」と答えている点は見逃せない。

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