2021.10.18
# 貧困

実は日本人が、「他人を助けない不親切な国民」になっていた…!

世界で1番「人助けしない」人々?
田中 世紀 プロフィール

こうした自分の信念とは違う話や事実を突きつけられると反論したくなるのが人の常で、天邪鬼の私もいろいろ反論を考えてみたくなる。例えば、考えられる一つの反論は、この調査団体の標本が一般的な日本人ではなく、たまたま「極端に他人にやさしくない日本人」を対象にした可能性があるのではないか、というものだろう。

しかし、残念ながら、こうした「他人にやさしくない日本」像は、他の多くの調査(異なる標本抽出法、異なる年次)でも一貫して見られるのだ。少し古いが、2007年のアメリカのピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)の調査では、「政府は貧しい人々の面倒を見るべき」という項目に「同意する」と答えた日本人は、調査対象の47ヵ国中、最低の59%だった。

スペインが最高の96%で、ヨーロッパで日本とよく比較されるドイツでも、92%の人が「政府は貧しい人々の面倒を見るべき」だと答えている。日本人の4割は、自分自身が助けないだけでなく、政府も「他の困っている日本人を助けるべきではない」と考えているのだ。

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「見知らぬ人」にやさしくない

これでも納得しない人がいるかもしれない。例えば、日本人は「他の国と違う人助けをしている」可能性が考えられるだろう。日本特殊論者の私の母親が言いそうなセリフだが、日本人の人助けのやり方は他の国の人助けとは違うのだ、と。

確かに、「世界人助け指数」が元にしている質問の一つに「チャリティーに寄付したことがあるか」というものがあるが、チャリティーが盛んなアメリカなどと違って、多くの日本人はあまりチャリティーになじみがないかもしれない。

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