道場の師匠がぼくにとっての黒木先生

中学受験は、費用がかかる、本当に子供のためなのかという疑問の声もある。でも柳楽さんは、受験を通しての出会いを、プラスにとらえている。

「初めは、『先生がこう言ってるし、やっておこう』ということも大事かなと思うんですよね。そして、11歳前後の子が、自分でしっかり考えて自立していく。
『道場』と同じ雰囲気を、塾に感じるんです。ぼくも20歳の頃から、護身術の道場に通っていて、精神的な成長って、すごく大事だったりするんですけど……。

ぼくにとって今、道場の師匠が、黒木先生みたいな存在です。子供自身の成長はもちろん大事だけど、つらい時に出会えた先生は、印象に残るんですよね。多感な時期だし、あの時、会えてよかったと。黒木先生みたいに、いろいろなことを教えてくれたら、お金を払いますよね(笑)」

撮影/篠塚ようこ
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中学受験を控えた家庭からは、「『二月の勝者』は、私たちのモヤモヤを可視化してくれる」「心の支え」という声もあり、熱く支持されている。柳楽さんは、受験に限定しない、大人の成長物語でもあると語る。

「大人も、いつでも成長します。佐倉先生とか、塾の先生も成長していく。人生攻略ドラマという言葉に尽きると思うんですが、みんなで攻略していくというか。子供だけでなく親も、大人も、全員が成長する物語なのが、好きなところです。

どれが正解か迷う時、一本の柱になる黒木先生がいて、みんなで自立しながら、こういうことのがいいんじゃないかなっていうのを、それぞれに考えて決めていく過程が大切なのかなと思います。

ものごとをプラスにとらえていく物語ですし、人生の攻略ドラマなので、大人として、働く人として、共感できるセリフもあると思うんです」