その子に合った学校選びが大事なんだ…

黒木を演じることを通して、中学受験の世界を体感している柳楽さん。「中学受験は小学生には過酷なのでは?」と投げかけると、柳楽さんの考え方がわかりやすかった。

「中学受験は、十人十色、家族によっても全然スタイルが違うし、モチベーションも親のほうが強いか、子供のほうが強いか、パターンがあると思います。受験をするならばその子に合った学校選びが、とても大事だと感じます。

『御三家』とか偏差値の高い学校を目指すのもありと思いますが、入ってからついて行けずに辛いと感じる子もいるんだと、原作を読んで知りました。親とか塾の先生とか、大人が、経験から子供のいろいろな方向性を見つけていくことが、大事なんだなって。塾って、勉強を教えているだけと思っていたんですけど、サービス業なんですね。アシストしたり、アドバイスしたり、いい方向に導いていく、とてもやりがいがある仕事だと感じました」

佐倉麻衣が黒木を初めて見かけるシーン。受験当日も受験生を支える (c)NTV
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黒木先生に出会えていたら受験したと思う

柳楽さんは是枝裕和監督の映画『誰も知らない』(2004)で主人公に抜擢され、カンヌなどで数々の賞を受賞。子役として芸能の仕事を始めたのが、中学受験をする子供たちと同じ、11歳だった。

「ぼくが中学受験をしていたら? 全く違う人生になって、『日テレで働けていたのかな』とか考えます(笑)。黒木先生のような人に出会っていたら、受験していたと思いますね。子供の頃に、黒木先生に出会ったら、勉強を頑張ろうと思うでしょう。

ぼくは芸能界でデビューできて、ラッキーでした。でも、芸能界は当然ながら仕事の保障があるわけではありません。とにかく安定材料がほしい、自分の引き出しを増やしていかなければと、子供ながらに必死で、同時に不安との付き合いが始まりました。

大人になって、安定して働きたいって思うじゃないですか。そういう中で、塾に通って、いい大学に行くのも、一つの安定材料でしょうね」

撮影/篠塚ようこ