ドラマ「二月の勝者-絶対合格の教室-」が日本テレビ系にて10月16日から放送される。業界最大手の中学受験塾から、業績不審の中堅塾に校長として迎えられるスーパー塾講師・黒木蔵人が主人公の同名漫画(高瀬志帆、小学館週刊ビッグコミックスピリッツ連載中)が原作だ。中学受験をする子供たちと同じ11歳ごろに、『誰も知らない』に出演、芸能界の仕事を始めた柳楽優弥さんが、黒木を演じる。30代になり、初めて先生役に挑むという。塾講師役の井上真央さん、加藤シゲアキさんとのやりとりや、個性的な子役たちとのシーンも注目されている。

(c)NTV

ドラマでは、過熱する中学受験をテーマに、受験家庭の抱える問題・社会課題も描かれている。柳楽さんは先述の通りちょうど中学受験に直面する11歳のときに、是枝裕和監督の『誰も知らない』で初めて演技の世界に入り、カンヌ国際映画祭の男優賞を受賞した。そして今では1児の父でもある。そんな柳楽さん個人が考える「中学受験」について、ジャーナリストのなかのかおりさんがインタビューをした。

撮影/篠塚ようこ
柳楽優弥(やぎら・ゆうや) 1990年生まれ。是枝裕和監督に抜擢され主役を演じた映画『誰も知らない』(2004)でカンヌ国際映画祭男優賞を受賞(史上最年少・日本人初)。蜷川幸雄演出の舞台『海辺のカフカ』、映画『銀魂』シリーズなど多数の作品に出演し、近年は映画『HOKUSAI』『太陽の子』で主演。今冬に公開予定の映画『浅草キッド』ではビートたけし役を演じる。コロナの自粛期間に、1級船舶免許と食養生コーディネーターの資格を取得した。
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過激な言葉、よくぞ言ってくれました

筆者は5年ほど前、中学受験の取材を担当した。その記事が、高瀬志帆さんのムック『中学受験をしようかなと思ったら読むマンガ』に掲載されたのをきっかけに『二月の勝者』を知り、愛読している。東京では4人に1人が経験する中学受験の厳しさに驚くと共に、キャラの立った登場人物と、社会問題に切り込みながらも子供たちへの愛情が感じられるストーリーに引き込まれた。

ドラマで柳楽優弥さんが演じる、スーパー塾講師の黒木蔵人は、こんな過激な言葉を連発する。

「中学受験は課金ゲーム」
「親はスポンサー」
「塾はサービス業、子供の将来を売る場所」
「子供を合格に導くのは、父親の経済力と母親の狂気」

新任講師の佐倉(井上真央さん)は、上司の黒木に圧倒される。一方で「全員を志望校に合格させる」とも言う黒木。柳楽さんは、この強烈なキャラクターをどのようにとらえているのだろうか。

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「ぼくが演じる黒木先生は、最強なのか、最悪なのか、強烈なセリフを連呼します。原作を読んで感じたのは、気持ちいいなというか、よく言ってくれました、ということです。
佐倉先生も、そういう発言を聞いて成長していく……。人生攻略ドラマとも言われているように、黒木先生の発言によって、みんなの士気が上がっていくのは楽しいと思います」

柳楽さんは、原作を読み、黒木という人物に魅力を感じた。

「ドラマの話があった時、単純におもしろそう、と思いました。優しいことだけを言える人は多いと思うのですが、人に嫌われるとかはおいておいて、黒木先生は、そのチームにとっていいことを伝えていくスタンス。そういう人って自分の周りにはあまりいないし、おもしろいですよね。

ぼくも実際、小学生の娘がいるので、立場で言えば黒木先生が言う受験の『課金ゲーム』に加わる側です。子供に近い親側の視点で見ると、現実にこんな先生がいて、合格させますよって言われたら、相当、心強いと思います。ただ、黒木先生のように、人のことを真剣に考えるのは難しい。黒木先生は仕事だけど、子供のことをしっかり考えていて、かっこいいですよね」