by Gettyimages

岸田新首相の「耳心地のいい政策」を鵜呑みにしていると迎える、日本の「ヤバい未来」

発足当初からブレている

4年ぶりの衆議院の選挙戦が始まった。当初は11月に入ってからの投開票との見方が強かったが、岸田文雄自民党総裁が総理に就任するや10月31日に投開票日を設定した。縁起をかつぐ政界では異例の「仏滅選挙」である。

新内閣発足の「ご祝儀」で支持率が高いうちに選挙戦を乗り切ろうという岸田自民党の作戦は明らかで、短期間での選挙戦を強いられることになった野党は対応に追われている。まだ解散せず、選挙の公示もされないうちから、朝の出勤時の駅頭に立つ候補予定者が各地で目についた。

by Gettyimages

新型コロナウイルスの蔓延で、人々の生活だけでなく、日本経済全体にも大きな影響が出ている。そんな中で、苦境に立つ人たちの支援策を充実させるのは当然として、日本経済をどう立て直し、ポスト・コロナの新しい社会にどう対応していくのか、各党が明確なビジョンを示す必要がある。ところが、野党だけでなく、自民党も実現可能性の不確かな「バラ色」の政策や、美辞麗句が乱舞している。

岸田氏が言う新しい資本主義の中味はいまだもって不明だが、総裁選の最中から、「新自由主義的政策からの転換」「分配なくして次の成長なし」と述べてきた。

アベノミクスで進めてきた「規制改革」を「一丁目一番地」として民間の競争を促し経済成長させるという路線を「新自由主義的」と否定したかのような発言だったが、果たして「分配」重視で、分厚い中間層が再構築できるのか、岸田氏が言ってきた「令和版所得倍増」は可能なのか、疑問の声も上がった。

10月8日に行われた所信表明演説では、「所得倍増」と言う言葉は消え、分配優先かと思いきや「成長と分配の好循環」との言い方になった。「発足早々ブレている」と野党から責められたのは当然だ。成長を分配に結びつける政策は、安倍晋三元首相が繰り返し強調していた「経済好循環」そのもの。まずは成長を取り戻してパイを大きくし、それを給与増など分配に結びつけることで、再び消費などに回していく。アベノミクスとの違いはない。

 

安倍氏は首相当時、財界人を官邸に呼んで、賃上げやベースアップを求めるなど、禁じ手に近い行動まで取って分配を増やそうとした。「官製春闘」と揶揄されたが、2020年の春闘まで7年連続で賃上げが実現した。それでも企業の利益剰余金、いわゆる内部留保は増え続け、格差は拡大した。全体としては生活が困窮する層が増えたのは事実だろう。

関連記事

編集部からのお知らせ!
SPONSORED

おすすめの記事

ABJ mark

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標 (登録番号 第6091713号) です。 ABJマークについて、詳しくはこちらを御覧ください。https://aebs.or.jp/