田中理事長の“側近”が逮捕された「日大背任事件」、その“深層”を読み解く

事件の焦点と責任の行方は

背任事件の今後の「焦点」

東京地検特捜部による日本大学・井ノ口忠男理事(64)、医療法人錦秀会・籔本雅巳前理事長(61)らの背任容疑を巡る捜査は、付属病院の建て替え計画に乗じて、2人が日大を“食い物”にした構図が明らかになり、今後は事件が、どれだけの拡がりを持つかに関心は移っている。

焦点は、日大の田中英寿理事長(74)が関与したか否かだろう。

井ノ口容疑者は、田中理事長の側近にして金庫番。背任事件の舞台となった株式会社日本大学事業部は、日大が100%出資する会社で、田中理事長の肝いりで設立され、井ノ口容疑者が立ち上げの時からアドバイザーとして関与。代表者は別にいるが、実質的な権限がすべて井ノ口容疑者にあった。

特捜部は、田中理事長の自宅を二度にわたって家宅捜索。疑いを強めているわけだが、「知らない。把握していない」と、資金流出への関与を否認しているという。

 

ただ、『読売新聞』は逮捕の翌日(10月8日朝刊)、井ノ口容疑者の指示で、籔本容疑者側から田中理事長に3000万円が渡ったと報じ、チャートにも示した。追随したメディアもあり、田中理事長が事件構図のなかにいるのは間違いなかろう。

ただ、事件への関与を問うのは難しい。

「カネが渡ったのは事実のようですが、趣旨の特定が難しい。病院工事に伴うリベートの一部と、理事長が認識していない可能性がある。また、カネが渡っていたとしても、籔本容疑者からの借金と主張するかも知れない。振り込みではなく現金手渡しでしょうから、籔本か井ノ口か、どちらかのしっかりとした供述が必要です」(司法担当記者)

写真はイメージ/photo by iStock

しかも田中理事長は、16年前の常務理事時代、建物・施設一切を担当する理事として、業者との癒着を調べられたことがあり、こうした疑惑には慎重だろう。

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