日経平均「上がりすぎ」から「下がりすぎ」へ
「なんで上がるの?」「上がり過ぎでしょ?」な時期ほど、日経平均(以下:日経平均)は上がる…という悪癖を前回コラムで紹介した。
多くの日本の個人投資家が首をかしげる上げ方をするとき、個人投資家は日経平均に“売りバイアス”をかける。代表的な投資行動が、ダブルインバースETF(日経平均の変動率のマイナス2倍動くよう設計された金融商品)の買いである。
ショートが溜まっていくなかで、上値を買い上がる外国人投資家の力が想像以上に強いと、上昇への恐怖感からダブルインバースETFを買った投資家は短期でロスカットする。
そのロスカットは日経平均買戻しと同義のため、踏み上げ相場の燃料となり、9月に付けた年初来高値に向けたラリーが具現化した。

そんな「何このラリー?」な相場は…突然終わった。1ヵ月も経たず、前述の個人投資家の心理はひっくり返ることになった。
ド派手な上昇分は全部溶け、暴走状態の下げに対して「なんで下がるの?」「下がり過ぎでしょ」に投資家心理は一変。“逆張り”の個人投資家は一転し、日経平均に“買いバイアス”をかけ始める。
このターンでの代表的な投資行動は、日経平均レバレッジETF(日経平均の変動率の2倍動くよう設計された金融商品)の買いである。
下げる過程では、毎日のように、「今日こそ戻す!」「今日は買い場!」な雰囲気があった。その思いで押し目買いを入れる個人投資家の買いポジションが蓄積されるなか、「なんでこんな安値から売り叩くの?」な非情なる外国人売りが降ってきた。