財務省のぶっちゃけ話が文春に掲載されたら炎上した件について

矢野次官論文を陰謀とか言われてもなあ
山本 一郎 プロフィール

そもそも政府がやるべきことって何

ただ、積極財政路線をやるにせよ、何が成長分野で、どう合理的に政策を立案するかを考えなければクールジャパン構想のようにカネをドブに捨てることになります。

いま10兆円大学ファンドの話も出ていますし、前述のように再生エネルギーへの大胆な投資が必要なのは間違いありませんが、カネを使うよりも先に、知的財産が中国や中華企業、中国人などに盗まれないようにする法制度がまだだよねとか、再生エネルギーといっても20年後の話で今年の冬のエネルギー問題があるから先に原子力発電をどうにかしろとかいう議論が出て、エネルギー基本計画の中身も満足に決まらない状況で研究資金を咲き出ししてどうするんだという話になります。

何より、我が国の国家財政は、歳入が60兆円ほどである一方、民間経済は540兆円もあります。国家がうんうん考えて10兆円20兆円の国債を発行して成長戦略のために資金を投入したところで、よほど効果的なおカネの使い方をしない限り経済効果という形で跳ね返り、その利益を納税という形で還元させてきて予算投入に見合った歳入に結び付けられる保証はありません(「国民経済統計」内閣府)。

日本の研究開発予算もクールジャパンも地方創生もそうですが、政府が足りない予算を効果的に使うために「選択と集中をせよ」と厳命したところで、お役人に「どの選択をしたら効果的か」と判断できるはずもなく、官民ファンドも含めて政府が投資をしたり民間に介入する事例は概ねにおいて失敗に終わっています。やはり、政府は「良い投資をするために正しい判断をする」よりも「正しい判断をしてくれる民間が動きやすいように良いルール作りをする」ことのほうに集中したほうが良いのです

それであるならば、行政の適正な執行と、より柔軟で素早い法・条例対応を可能にするために、国家公務員や地方公務員を加俸したり人員を拡充して残業残業徹夜残業残業徹夜徹夜徹夜という霞が関改革をしっかりやったり、特定生産緑地制度、相続税の小規模宅地や固定資産税の住宅用地の特例を廃止して本則に通りに運用し、資本や経済のルールを最適化する方向で社会全体に富が回るよう財務省に働いてもらうほうが肝要です。

 

つまりは、財務省が悪玉だとか悪い奴だという印象論を廃し、母ちゃんが俺たちの無駄遣いに文句を言っているのだと(そして国家財政と家計部門とは異なるものであると)正しく理解をしたうえで、積極財政か緊縮財政かは別として予算が国民経済・社会に資する形でしっかりと執行されているのかを確認して意味のある歳出をして欲しい、そのために財務省は頑張って欲しいという話をするべきです。

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