岸田文雄首相[Photo by gettyimages]

日本の「総貧困化」を招きかねなかった、岸田首相「金融所得課税の強化」の大誤算

「成長なくして分配なし」ではないのか

見直しを止めて当然

「当面は触るということは考えていない。そこばかり注目されてすぐやるんじゃないかという誤解が広がっている」

岸田文雄首相は10日のフジテレビの番組で、金融所得課税を当面は見直さない考えを明らかにした。

岸田文雄首相[Photo by gettyimages]
 

野党側からは早速「(金融所得課税の強化は)多くの皆さんが自民党が変わるかなという象徴だと思っていた」という批判の声も上がっているが、現実を見据えれば賢明かつ当然の判断だったといえる。

193兆円もの公的年金資産を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)と日銀のETF(指数連動型上場投信)保有分は約83.5兆円に達し、東京証券取引所第一部時価総額約727兆円(10月8日時点)の約11.5%に相当する。このような状況下での安易な金融所得課税強化は、株式離れによる株価下落を通して年金運用と日銀の資産棄損を招くリスクを孕んでいる危険な政策だといえるからだ。

岸田総理の掲げる「分配」の問題点は、何も「資産を持つ者と持たざる者の間の問題」だけではない。国が税や国債によって集めた資金をどのように「無駄なく、効率よく、公平公正に分配するか」という点も大きな問題である。

この大きな問題の解決に取り組まないうちの金融所得課税強化は、「資産を持つ者を持たざる者に没落」させ「資産を持たざる者を持たざる者に固定化」する「国民総貧困」を招くリスクを孕んでいることを忘れてはならない。

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