飼育員さんの思いやりがたっぷり!動物園のパンダの「新兵器」が素敵すぎる

水曜日のお嬢様(48)

ちょっと短めのおみ足にまるいボディ。唯一無二のフォルムを持つ、神戸市立王子動物園のメスのジャイアントパンダ「タンタン(旦旦)」。そのかわいい姿と優雅な所作から、親しみを込めて、“神戸のお嬢様”とも呼ばれています。

愛くるしいタンタンですが、実は現在26歳。人間で言うとおよそ70歳代という高齢パンダ。そして、中国への返還が決まっています。神戸で最後の時間を過ごす、お嬢様の様子を、動物園の休園日である水曜日にお届けします。

ニンジンにくぎ付け
 

思いやりから生まれた新兵器

先日、園の公式ツイッターで、タンタンのための新たな道具が紹介されました。オリの中から顔をのぞかせるその姿は、新種の美顔器……!? ではなく、診察中にあごを置くための「あご置き」なんです。

新兵器導入のいきさつを、飼育員の梅元良次さんに聞きました。

新兵器投入です 神戸市立王子動物園公式ツイッターより

「獣医の診察中に、タンタンがずっとあごを上げた姿勢になることがあるんです。がんばってじっとしてくれているんですが、疲れるだろうなと思って。あご置きを作ってもらいました」と、梅元さん。

獣医さんが聴診器をあてている様子。これは、確かに疲れそうですね 提供:神戸市立王子動物園

長いときは、5分ほどあごを上げたまま、じっとしているというタンタン。それだけじっとしていられるのも、すごいことです。毎日のハズバンダリートレーニングのたまものですね、お嬢様。

ハズバンダリートレーニングの様子 神戸市立王子動物園公式ツイッターより

診察の際には、獣医さんがオリのすき間から手を入れて、エコーをとったり、聴診器をあてたりします。最近は心臓疾患の影響で、以前より診察時間が長くなることも。

そのため、だんだんあごが下がり、獣医さんの手にタンタンの鼻先が当たるようなことも出てきました。

もちろん、安全にはしっかりと気を配っていますが、竹をバリバリ砕くタンタンの口が、すぐ近くにあるということは良い事とは言えません。タンタンと獣医さん、双方の安全のためにも、あご置きが活躍しているのです。

あご置きがあれば、顔が下がってきません 神戸市立王子動物園公式ツイッターより

このあご置きは、パンダ館の建築にもたずさわったという業者さんに、飼育員さんたちが描いた、サイズや取り付けイメージなどを記載した図面を渡し、要望を伝えて作ってもらったのだそう。

作成の際にこだわった部分を聞くと「これはどの動物でも同じですが、引っかけてケガなどをしないように、角など尖った部分がないようにお願いしています」と、梅元さん。

完成したあご置き 神戸市立王子動物園公式ツイッターより

さらにこれ、両端の丸い部分がネジになっていて脱着が可能。「溶接で固定しても良かったんですが、今後のことを考えて、取り外して高さを調整できるようにしてもらいました」(梅元さん)

タンタンに合わせて高さも調整できる、完全オーダーメード。取り付け後に誘導したら、すぐにあごを置いてくれたそうです。気に入られたのですね、お嬢様。

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