2021.10.17
# 学校・教育

「女子は文系/男子は理系」のステレオタイプが存在するこの国の「教育格差」

「教育」と「ジェンダー」を見つめ直す
寺町 晋哉 プロフィール

男女別学/共学の「是非」

教育と男女格差という点で考える際、都立高校の男女別定員入試は記憶に新しい。

簡潔に述べれば、男女別定員枠を設けることで女子の合格最低点が男子よりも高くなる入試制度が長年運用されていた。つまり、「女子」という属性によって進学で不利益となる男女格差が制度として存在していた。

制度見直しを求める声の高まりを受け、東京都教育委員会は段階的に見直す方針を示したが、早急な変更は難しいことから、全体の定員の1割を男女関係なく得点順で合格者を決める「緩和措置」を徐々に拡大(対象校や得点順で決定する割合)することとなった。

「教育の機会均等」の理念をふまえるなら、「性別」が「足枷」にならないよう男女別定員枠を廃止し、受験生の「能力」だけで合否判定を行う是正が早急に必要となるだろう。しかし、「教育の機会均等」だけでは、教育と男女格差を論じ切ることはできない。

 

ここでは二つの論点を示したい。第一に、男女別学制度である。男女別学を考える際、学習者の空間的分離/共有だけでなく、性と性別に関わる倫理観や学校の経営戦略、教育効果、教育目標や教育方法を踏まえて議論する必要性がある*8

例えば、男女別学は「教育の機会均等」という理念に反するという意味では是正すべき制度になる。その一方で、学校の中で相対的に不利になりやすい女子が女子校で十分に能力を発揮できるのであれば、男女別学の意義は大きい。

近年では、「リーダーシップの発揮」や「強くたくましい」というような、いわゆる「男らしさ」から距離をとり、自己評価の低い傾向にある男子たちの「自分らしさ」を伸ばそうとしながらも、「自立していけるような男らしさ」の獲得を目指す「避難場所」としての男子高校の事例もある*9

もちろんデメリットも存在し、幼少期から男女別学で学ぶことによる問題点や、異性の存在が教育効果を高めることもある*10 。このように、男女平等の「力点」を「機会均等」に置くのか、「男子/女子に向けた教育効果」に置くのかだけでも、簡単に評価を下すことは難しい。

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