もう米国は世界を守る負担を背負い切れないので日本はその分自分で

尖閣を守るにはまず防衛費GDP2%を
大原 浩 プロフィール

ミリー氏の言い分は?

したがって、尖閣が侵略されたときにバイデン大統領が日米安保条約に従って米軍の出動を要請しても、ミリー氏がバイデン氏の指示に従わないという国家反逆行為を繰り返す可能性は十分にあるのだ。

もちろん、ミリー氏にも言い分はあるだろう。米ブラウン大の試算によれば、2001年9月の同時多発テロを機に始まった「対テロ戦争」に米国が投じた費用は8兆ドル(880兆円)。死者は90万人にのぼる。日本の年間GDP500兆円の2倍近い金額であり、破綻騒ぎの渦中にある中国恒大の債務総額とされる33兆円の数十倍の金額だ。

それだけの費用と尊い犠牲を出しながらも、前述のようにミリー氏の忠告を無視した「アフガン撤退大失敗」で、テロとの戦いが振り出しに戻ったと言っても良い状況だ。ミリー氏の心中は察するに余りある。大統領の愚かな判断で犠牲になるのは「ミリー氏のかわいい部下たちと米国市民及び協力者」なのである。

 

ミリー氏は、長年のテロとの戦いで多くの部下を無駄死にさせたと感じているであろうし、新たな犠牲を払いたくないと考えるのは自然だ。もし、対中戦争を始めれば、米軍の被害が甚大になるのは明らかなのである。トランプ政権下での反逆行為も「部下を無駄死にさせたくない」という切実な気持ちからであったという好意的な解釈ができるかもしれない。

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