2021.10.13
# 生理学

10月13日 「白血病」の命名者ルドルフ・フィルヒョウ誕生

サイエンス365days

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1821年のこの日、「白血病」の命名者でもあるドイツの病理学者ルドルフ・フィルヒョウ(Rudolf Ludwig Karl Virchow, 1821-1902) が誕生しました。

現在のポーランド・シフィドビンの農家の生まれであったフィルヒョウは、ベルリン陸軍軍医学校で「ミュラー管」に名を残すヨハネス・ミュラーに師事して医学を学び、卒業後はベルリン市立病院の病理解剖医となります。

のちに彼は大学へと戻り、ベルリン大学の講師やビュルツブルク大学病理解剖学教授などを歴任しています。

ベルリン大学の教授であった時にはシュレジェン地方で流行するチフスの原因を調査するなど公衆の病理調査なども行いました。

ルドルフ・フィルヒョウ(Rudolf Ludwig Karl Virchow, 1821-1902) photo by GettyImages

そんなフィルヒョウの最も偉大な業績は「細胞病理学」の提唱でした。

それまで、我々の体を蝕む病気の原因としてはガレノスらに代表される体液病理学説などが代表的なものでしたが、彼は「動物の細胞説」を唱えたテオドール・シュワンの説をさらに発展させ、「細胞は細胞より生まれる」をモットーとして、「すべての身体の病気は個々の細胞の異変によって生ずる」と唱えました。

この考え方は現代の分子レベルの医学にもつながる非常に重要なものでした。

また、彼は1845年に顕著な白血球の増加と貧血に苦しむ患者を調査し、これにギリシア語で「白い血液」を意味する言葉に由来する「Leukämie」、すなわち「白血病」と名付けています。

後年、彼は政治に興味を持ち、1862年から始まる憲法論争ではビスマルクと争ったほか、シュリーマンのトロイア遺跡発掘の援助を行うなど幅広く活動しました。

また、医師としても世界で初めて人工的に皮膚ガンを作り出したことで知られる日本の山極勝三郎(やまぎわ・かつさぶろう)らを指導するなど、後進の育成に尽力しています。

関連記事