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株価急落「岸田ショック」の元凶、「金融所得課税」見直しより先にすべきこと

岸田文雄首相が自民党総裁に選出されて以降、日経平均株価が8営業日連続で下落したこともあり、市場やメディアでは「岸田ショック」という言葉が飛び交っている。その元凶の一つと言えそうなのが「金融所得課税」の見直しだ。

岸田首相は市場の反応を受けてか10日や11日のテレビ番組で「当面は触ることは考えてない」「優先順位は賃金を直接引き上げる政策だ」とコメントしたが……。フェアな「分配」を考える上で金融所得課税の見直しより先にすべきこととは。

47歳でFIREを達成した人気ブロガーで著書『今日からFIRE! おけいどん式 40代でも遅くない退職準備&資産形成術』(宝島社)を出版した「おけいどん」こと桶井道さんによる緊急寄稿。

「岸田ショック」の引き金、金融所得課税の見直し論

岸田政権が、金融所得課税(株式の譲渡益や配当金などの金融所得に課される税金のこと)の見直しについて言及しました。

給与所得課税の税率は、55%(所得税+住民税)が最高税率です。所得が多いほど税率が高くなる累進課税となっています。一方で、金融所得課税は所得によらず一律で20%(同)です。よって、年間所得1億円を境に、所得に占める金融所得の割合が高くなるほど所得税の負担率が下がり、金持ちを優遇する制度とされる現状があります。

そこで、格差是正のために、金融所得課税を一律30%、25%、累進課税など、政府でいろいろと議論されている声が漏れ聞こえてきました。

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10月初旬、日本株はそれに反応して、来る日も来る日も続落を重ね、「岸田ショック」と報道されました。

その後、10月10日のテレビ番組で、岸田首相より金融所得課税について、「当面」は触ることを考えていない旨、言及がありました。また、翌日のテレビ番組でも「将来的に議論を進めていくことは当然、考えられるとは思うが、優先順位は賃金を直接引き上げる政策だ」と述べ、火消しに走りました。

とはいえ、この「当面」とはどのくらいのスパンなのでしょうか? 今回は観測衛星を打ち上げたとして、「将来的に」は触ることになると予想できます。それが、この衆院選の後なのか? 来年の参院選の後なのか? もしくは、「成長」してからなのか? そこが問題。

金融所得課税の見直しには、市場に悪影響がないようにするとの発言もありますが、個人投資家への影響は避けては通れないものです。譲渡益や配当金に課税される訳ですから影響がないとは言えません。

よって、私は安易な増税には反対です。増税するのなら、成長してから、少なくともインフレ率2%を達成してからでしょう。それも、これから資産形成される世代に不利なものであってはいけません。格差が是正できませんから。

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