投票環境は改善できる

特に、投票率に影響するものは、「投票環境」の問題があります。例えば近所に投票所がある人は、投票所が遠くにある人よりも、投票率が上がります。横浜市のデータを用いた研究では、徒歩での平均時間が1分長くなると、投票率が0.4%ポイント下がることが示されていました。

投票所の数もまた、投票率に影響を与えます。投票所の数が投票率に与える影響を分析すると、1万人あたりの投票所を1つ増やせば、投票率が0.17%上昇するという結果になりました。1950年代には、有権者一万人あたりの投票所数は8つでしたが、2010年代には5つにまで減少しています。この20年ほどでも、全国で4000以上の投票所が削減されているのですから、その分だけ投票率が下がっても不思議ではありません。

雨だと投票率が下がるのも同じ理由。投票所へのアクセスの難易度が上がると、組織票をバックにもち、遠くても雨ででもなんでも必ず投票に行く数を確保しているか否かが大きく影響する Photo by iStock
-AD-

また、投票時間が2時間短縮されると、投票率が0.9%ポイント下落することもわかっています。投票に行くというアクションは、有権者の時間や体力などを必要とします。利便性の高い投票環境であれば投票率が上がり、利便性が低い投票環境であれば投票率が下がるということになります。現在では17,000を超える投票所、つまり全体の3分の1以上の投票所が、「閉鎖時間の繰上げ」を行なっています。投票可能な時間が減少すれば、その分だけ投票に行けなくなる人も増えるというものです。

一方で、期日前投票については、投票所の数を増やすほど期日前投票参加率は上昇し、さらには投票率そのものも上昇させます。期日前投票の利用率はこの10年間で増加傾向にあり、引き続きの実践が求められます。