自動車の長期使用化が進む中で
さて、筆者の子どもがマイカーを購入するにあたって、まず検討課題となったのは、「新車か、中古車か」だった。
もちろん予算との兼ね合いもあるが、初めてのマイカーに加え、ペーパードライバー歴が10年近い妻も運転するとなれば、「多少は擦ることを前提に考え、中古車が妥当だろう」と判断した。

次に検討課題となったのが、「では、何年式の中古車にするのか」「クルマはどの程度の期間乗り続け、どのタイミングで買い替えるものなのか」だった。
自動車検査登録情報協会の統計によると、軽自動車を除く20年3月末現在の乗用車の平均車齢は8.72年となっている。前年に比べ0.07年延び、冒頭で述べたように、28年連続して高齢化し、26年連続で過去最高齢となった。
平均車齢は、ナンバープレートを付けている自動車が初度登録してからの経過年の平均であり、人間の平均年齢に相当する。初度登録年とは、自動車が国内で新規(新車)に登録された年で、ほぼ自動車の年式に相当する。
例えば、中古車販売店にあるナンバープレートを付けていない乗用車は、乗用車の保有台数にはカウントされているが、平均車齢の対象とはならない。
自動車が故障しづらくなったという技術的な面が大きいのだろうが、平均車齢は新車販売台数が減少し、自動車が長く使われると高齢化が進む。
逆に、新車販売台数が増加し、高齢の自動車のスクラップや海外輸出が増えると若返る。
新車販売台数に影響される点を考えれば、経済的な理由が影響して、新車販売台数が伸び悩み、自動車の長期使用化がさらに進んだということになる。
実際、平均車齢は年々延びており、2010年の平均車齢は00年と比較すると1.72年延び、20年を00年と比較すると2.88年延びている。20年間で約3年間延びたことになる。