「性的同意年齢」とは「性的な行為に同意する能力があると認められる年齢」とみなされるもの。日本では現在の刑法で13歳と定められており、明治時代から変わっていない。韓国では性暴力を減少させるために16歳に引き上げられたばかりだ。日本で性犯罪に対する法の「軽さ」により多くの性暴力事件で無罪が言い渡され、刑法の改正は以前から問題視されている。

現在、性暴力の問題に多くの学生たちが声をあげているという。小川たまかさんがその現場を取材、衆議院議員選挙が31日に投開票となる中、日本の性暴力対策の現在地を伝える。

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「痴漢はもう解決してる問題だよね」

チキラボが先日4万4629人を対象に行った調査によれば、衆議院議員選挙の争点として「ハラスメントを禁止し、性暴力被害者を支援してほしい」の得票率が高く、「とてもそう思う」と「そう思う」を合わせて98%となった。

最近の学生にジェンダーや女性差別の問題に興味を持ったきっかけを聞くと「性暴力」のニュースや自身の体験であることが多い。そんな話を、大学で教えている人からも聞いたことがある。

私自身も同じだ。「ジェンダー」がつく問題やフェミニズムについて期せずして首を突っ込むことになったのは、自分の性暴力被害を書いたことがきっかけだった。若い人にとって、性暴力が身近な人権問題、社会問題であることはよくわかる。

数年前から、性被害にまつわる学生主体の活動をよく見かけるようになった。いくつかあるので簡単に紹介したい。

本気の痴漢対策求めます! 来学期からは#NoMoreChikan(文部科学省-本気の痴漢対策を求めます-来学期から-nomorechikan)を始めたのは、日本若者協議会ジェンダー委員会のメンバーたち。記者会見に臨んだ中には高校生もいた。

ハッシュタグ「#NoMoreChikan」は、この署名とは別に慶應義塾大学の学生たちが始めた取り組みだ。メンバーの学生の一人は私の取材に対して、大人から「痴漢はすでに解決している問題だよね」と言われ憤りを覚えた経験を語ってくれた。

安心して性知識が得られるサイトを検索上位に出してください!」という署名(厚生労働省-安心して性知識が得られるサイトを検索上位に出してください)もある。性被害にあった人がたとえば「レイプ」や「痴漢」と検索したときに、有名人の性暴力事件やアダルトサイトが上位に表示されてしまうことを問題視。被害者のための情報や正確な情報が記載された公的機関サイトを上位に表示することを求めている。署名を始めたのは前田かや子さんら大学生のグループ「SEOセックスプロジェクト」だ。

2021年4月30日 厚生労働省での記者会見 撮影/小川たまか

これ以外にも、「性的同意(セクシュアル・コンセント)」を学ぶためハンドブック作成などの活動を行う団体は、早稲田・慶応・創価・上智大学など、複数の大学にある。2017年の刑法・性犯罪規定改正の頃から取り組みが盛んになったと記憶している。

今夏、高校生たちがジェンダーを語り合うオンラインイベントに招かれたが、そこでも高校生が自身や友人たちが痴漢被害に遭い悔しい思いをしたことから社会を変えたいという思いを語っていた。

自分が彼女ら彼らの年齢だった頃を振り返り、なんと賢く前向きなことかと思う。20数年前の私が考えつくのはせいぜい警察へ行くことぐらい(とはいえ実際に性被害を警察に相談したことはない)。身近だった性暴力の問題を社会に訴えかけるなんて思いつきもしなかった。

ちなみに、痴漢被害の凄まじさをあまり聞いたことのない方のためにデータを付け加えると、「青少年の性行動全国調査」(日本性教育協会)によれば1999年の大学生女子の痴漢被害率は56.2%。最新の2017年調査では24.0%まで減っているが、それでも5人に1人以上に被害経験がある。男性の性被害は見過ごされやすいが、男子大学生の痴漢被害率は、それぞれ13.4%(1999年)、2.5%(2017年)である。

「青少年の性行動全国調査」(日本性教育協会)をもとに筆者作成
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