「日本沈没」「真犯人フラグ」「アバランチ」秋ドラマは“本当に推せる”期待作ぞろいだ

大ベストセラーが現代ドラマに

10月期ドラマが始まった。プライム帯(午後7時~同11時)の新作はNHKと民放を合わせて13本。面白そうな作品が揃った。その中から特にお薦めの3本をご紹介したい。

1本目は『日本沈没-希望のひと-』(10日スタート、日曜午後9時)。原作は故・小松左京氏が1973年に発表した大ベストセラー小説だ。なぜ、推すかというと、ストーリーがタイムリーだから。原作が現代に合わせて大幅にアレンジされている。

TBS『日本沈没-希望のひと-』HPより

2023年、日本では汚染物質を液化して海底地層の隙間に貯留する国家的事業「COMS<コムス>」が進められていた。表向きは環境対策だが、分かりやすくというと、都合の悪いものは地下に埋めちゃおうという計画だった。

多くの人が現実社会における高レベル放射性廃棄物の「地層処分」を想起するのではないか。放射性廃棄物を地下300メートルより深い岩盤の中に閉じ込める計画だ。こちらの推進側は「火山も活断層も避けるから心配ない」と安全性を強調している。

一方、COMSは日本を滅亡に向かわせる。伊豆関東沖の海底プレートに歪みを生じさせてしまい、まず関東沈没の危機が迫る。

それに気づいたのは日本地球物理学会のアウトサイダー・田所雄介(香川照之、55)。田所はこう警告する。

香川照之 photo by gettyimages

「近い将来、伊豆沖で島が沈没する。その島の沈没は、私が恐れてきた関東沈没の前兆になる」

田所の関東沈没説はネットに載り、それが基でデモ騒ぎが起こる。

その収拾を図るため、田所と会うのが主人公の環境官僚・天海啓示(小栗旬)。最初は関東沈没説を信じなかった。そりゃそうだろう。けれど田所の話を裏付けるような衝撃的な出来事を海で目の当たりにし、考え方に変化が生じ始めた。

小栗旬 photo by gettyimages
 

田所はCOMSの担当者である一方、各省庁の優秀な若手官僚たちを集めた日本未来推進会議の中心メンバーでもある。政治家への転身を狙っていたような野心家だったが、やがて日本沈没の危機に全力立ち向かうようになる。

こう書くとパニック作品のようにも思えるが、そうではない。近未来を暗示する作品でもない。絶望が目前に迫る中、それを防ごうとする人たちの人間ドラマだ。視聴者側に感動をもたらす作品になるはずである。

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