2021.10.09
# 音楽

リーダーTAKUROが“コロナ禍”のアルバム制作で見出した「GLAYらしさの本質」

現代ビジネス編集部

「ウイルスと付き合いながら生きていくには」

――「FREEDOM ONLY」の収録曲には、殺伐とした世の中を反映した歌詞も随所に見られますが、TAKUROさんは、“コロナ禍”の世相をどのようにご覧になられていますか?

「新型コロナウイルス」は、人間の社会生活にとってはとんでもない悪魔であり、みんなが“忌々しい敵”として戦っていると思うんですけど…。

俺は、ホモサピエンスの“進化の過程”。この先の誰も見たことがない未来を、「ウイルスと付き合いながら生きていくにはどうすればいいか?」を考えながら、最近は過ごしています。

俺は「戦争や差別なんて無くなればいい」と言ったような、人間が抱く壮大な目標があってもいいと思うんですよ。

1992年に人種差別をきっかけにした「ロス暴動」がありましたけど、去年もまた同じような事件が起こってしまって…。「30年経っても人間は学ばなかった」と言われてしまう。

でも顕微鏡で拡大して見てみると、実は少しずつ理解者は増え、差別は減っているんですよ。

それでも事件が起こってしまうのは、人間の作り上げた“頭でっかちな理想”に、実際の暮らしが追いついていないから…。俺たちが生きている間には、“思い描いた理想”に追いつけないかもしれないけど、それでも夢を見ていないと生きていけないと思うんです。

今作では、「人間の嫌らしい所も含めて、抱えながら生きていかなくてはいけない」と記しましたが、「100年に一度の流行病が起きた」ということにきちんと向き合わずして、未来に向かうことはやっぱり出来ない。

今後、GLAYが活動するにあたっても「欲望の取捨選択」を求められる日々は続きますし、それに向き合い計算するしんどさもありますが、こればかりは仕方ないですね。

 

――暗い話題の多い昨今ですが、ミュージシャンとして「人々の心に寄り添う難しさ」を感じられる場面もあるのでしょうか?

家族と一緒にロサンゼルスに移り住んだ時に、人の励まし方にも“多様さ”があることを知りました。今の暗い世の中に灯を照らせるのは、「頑張れ」、「明けない夜はない」、「そのうち雨は上がる」といったような、J-POPでよく見る表現ではないんじゃないかと感じていて…。

どちらかというと、時代に合ったリズムやテンポが多くの人々を虜にしているのかなと思うんです。音楽的に成熟した社会で人々が明日への希望を見出すのは、決して歌詞や言葉ではない。最近はそのような想いを抱きながら、さまざまな音楽を聴いていますね。

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