【アメブロブロガー・オギャ子の「捨てる育児」#28】
3人兄弟の母でブロガーのオギャ子さん(ブログはこちら)が子育てをする中で、「これは引き算できる!」or「いや、これは流石にできない……」と学んだことについて、自身の経験談から書き下ろしの漫画と写真とともに教えていただく本連載『捨てる育児』、第28回目のテーマは「子供への説明」について。
子供に何かを説明する時、自分でも明確な理由がわからずうまく説明できなかったり、子供が理解できる言葉に言い換えて伝えることが難しかったりと、困ったことはありませんか? とくに、「こういうことをしてはダメ」といったルールなどは、誰かに迷惑をかけたり、自分や周りの人が傷付くことがないようにといった理由で事前に伝えることが多いからこそ、親としては子供達にしっかり分かった上で暮らしてほしいもの。とはいえ、それもそう簡単なことではないですよね。
今回は、オギャ子さんが子供間で行われていた「おごり合い」を知って、説明の難しさに悩んだお話をお届け。悩んだ末に、オギャ子さんが行き着いた方法とは?
オギャ子さんのインスタグラム「オギャスタグラム」でもまだ出していない、未公開エピソードをご覧ください。
オギャ子(おぎゃこ)
1982年、大阪生まれ。アメブロブロガー。マイペースなちゅんたん(長男)、心優しく激しさも持つゆいたん(次男)、甘え上手なほーちゃん(三男)という三兄弟の母。夫は輪郭が四角いことから「四角」と呼ばれている(オギャ子さん命名)。転勤族だったが、最近ついに一軒家を購入。四角さんも転職し、いまは家族みんなで大阪住まい。
イラスト・文/オギャ子
うまく説明できない時、どうする?
\右にスクロールしてお読みください!/
最近、子ども達(小学生の次男・三男)が駄菓子屋さんにハマっておりまして。
お休みの日に公園に遊びに行くついでに駄菓子屋さんでお菓子を買ってもいいよ、ということにしているのですが、ある日、「一人100円まで使っていい」という約束で2人合わせて500円を持たせたのに(その時たまたま500円玉しかなかった)、いざ持って帰ってきたお釣りを見ると220円……。
80円どこいった。
話を聞いてみると、仲良しのお友達にガムを買ってと言われたから「まぁいいか」と思って買ってしまったとのこと。
行動範囲も少し広がり、親の目も完璧には行き届かなくなってくるけど、かといってまだ未熟な小学生。
こういうシチュエーションもいずれあるだろうと考え、以前から「奢ったり奢ってもらったりお友達との間でお金のやり取りをしたらダメだよ」ということは伝えていたので分かってくれていると思っていたのですが、やはりそう一筋縄ではいかないですよね。
決して親の言っている事が伝わっていなかったわけじゃないと思うんです。
本人達も少し言いづらそうにしていましたし、「ママ、ダメだって言ってたな……」ってのは頭の片隅によぎってはいたと思うのですが、その一方でその場の雰囲気に流されてしまったり、単純に「お友達を喜ばせたい」「買ってあげたい」という思いもあったと思います。
そしてよくよく話を聞いてみると、お菓子を買ってあげたり、自分たちも買ってもらったりもしたと。
むむむ。
金額的には何十円単位の話ですけど、親としてはこのまま見過ごすわけにはいかず、その場でしっかりと話し合う事にしました。
「どうしてお友達に奢ったり、奢ってもらったりしたらダメなのか」
みなさんは、子どもにうまく説明できますか?
お金のやり取りをしてはいけない理由として一番先に思い浮かぶのは、「トラブルになると困るから」ということですよね。
私もそこを説明しようと思ったんです。
でもいざ深く考えてみたら何と言っていいのか分からなくなってくるんです。
「一人に買ってあげたことで『俺も!俺も!』っていろんな子に言われたらどうする?」
「逆に、おやつを買ってもらったせいで、『おやつ買ってやったんだからこれをやれ』ってイヤなこと指示されたらどうする?」
お金のトラブルで巻き起こるであろう子どもの世界のトラブルの具体例は思い浮かびますが、果たしてその「もし~~~したら」の【仮定の話】がどこまでうちの子ども達の心にぐっと刺さるのかが分からなくなってきました。
そのうち、これは子どもの事を思ってるのではなくて、親の自分がトラブルに巻き込まれたくないから言っているんじゃないかという気もしてきました。
子どものためと見せかけて、実は親の私が相手の親御さんとトラブりたくないから子ども達にやらせたくないと思っているんじゃないか……
(別にそう思う事がおかしいとも思いませんけど、子どもにこの気持ちが伝わるかというとたぶん分からない)
究極のところ、実際に自分がトラブルに巻き込まれて初めて「あの時ママが言ってた事はこういうことだったのか」と気づくんじゃないかなと思います。
が、それによって人に迷惑をかけてしまうかもしれないし、大切な友情が壊れてしまう可能性もあるので、出来ればそれは避けたい。
親が上手く先導して教えようと思っても私にはスマートにできそうになかったので、トラブルうんぬんは置いておいて、「お友達ってどういうものか」「どういうお友達でいてほしいか」親の願い、思いを子ども達に伝える方向にシフトチェンジしました。
・・・・・・・・・・・
大人になると自分が誰かに奢ったりすることもありますよね。
決して搾取されているわけではなくて、自分から相手を喜ばせたくて奢ってあげることもあります。
また逆に誰かからご飯をごちそうになることもあるし、中には「この人についていったら美味しいものが食べられる」とか「いい思いが出来る」というような打算的な上下関係が生まれることもあるでしょう。
いずれ大人になったら奢る・奢られる、そういうのは自分の意志で決定できるようになります。
純粋な人間関係だけじゃなくなってくることもあると思います。先輩と後輩の関係だったり、仕事の付き合いがあったり……。
でも、お金の切れ目が縁の切れ目のように、「奢ってもらうから付き合っている」関係だったらそれは悲しいのでは……。
だからこそ、子ども時代ぐらいは打算的なことを抜きにして、「一緒にいて楽しいからお友達でいる」、ただそれだけの純粋な友情を築いてほしいです。
・・・・・・・・・・
子ども達に「私の思うお友達とは……」を伝えました。
「本当のお友達ってどういう人だと思う? ○○くんがあの時、おやつを買ってくれなかったら、もう遊びたくない!って思った?」
次男「ううん、思わない」
「だよね。別におやつ買ってくれなくても、また明日も遊びたいって思うよね」
次男「うん」
「逆に君たちがおやつを買ってあげなかったら、俺、もうお前たちと遊ぶのやめるって言われると思う?」
次男「思わない」
「だよね。ママもそう思う。そしてそれが本当のお友達だと思う。お金とかお菓子とか関係なくても一緒にいたいって思える人とお友達になってほしいし、また○○くんにとっても君たちがそういう存在であってほしいと思う。
これからまた『おやつ買って~~』って言われる事があるかもしれない。
でも、今度はきちんと『ダメだって言われてる』って断ることもこれからずっとお友達でいるために大事なことだとママは思う。
そして、逆に君たちが○○くんに『買ってあげたいな』って思う事もあるかもしれない。でもそんなことしなくても大丈夫。
なにかを買ってあげたりしなくても、きちんとお友達でいてくれると思うよ。
買ってあげたりしなくてもお友達でいられるのに、自分から壊しにいってるようなもの。
だからママは、たとえ数十円でもお金のやり取りをしてほしくない」
そう伝えました。
もしかしたらまた同じようなことが起こるかもしれないです。
今回話したことできちんと伝わったかどうかわからないですし、伝わっていたとしてもまたやってしまった……ということもあるかもしれません。
それでもその都度、親が正解を導いてあげられるわけでもないですし、親にだって正解が分からないことも、説明が難しいこともたくさんあります。
だから難しいことは抜きにして、「親の本心」を子どもに伝える。
シンプルな訴え方でいいんじゃないかなという気がしています。
全て親がきちんと順序立てて説明しなくても子どもと一緒に考えて、「ママはこう思うよ、こう願ってるよ」と、そこを話し合えたら子ども自身の心のどこか片隅にそれを置いておいてくれるんじゃないかなと思っています。
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