自分の気持ちを押し殺してるせい? 人間関係の悩みを無駄に深めない方法

本当の気持ちを知るのが一番の近道
前回までの記事では、空気を読まない【発達系】と空気を読みすぎる【人格系】の特徴、そして2タイプが衝突するプロセスをお伝えしてきました。
ところが、これらのタイプは相手しだいで入れ替わることがあるといいます。そして、その変化そのものが苦しみの原因になることがあるのです。
現代新書の最新刊『空気を読む人 読まない人』は、自分の本当の気持ちに気づくのが人間関係の悩みを解決する近道だと説きます。そして【人格系】と【発達系】の2分類こそが、隠された自分の気持ちを知る道具として使えることを教えてくれます。
それでは同書から、心の奥底に迫る第1章・後半を特別にお届けします。

第1回:あなたはどちら? すべての人がどちらかに分けられる、人格系と発達

第2回:衝突は避けられない? 思わず「あるある」とうなずく人間の2類型

相手しだいで自分の性格も行動も変わってしまう

人格系も発達系も、両方の特性を自分のなかに秘めていることをご理解いただけたところで、興味深い現象についてお話ししましょう。人格系が発達系に変わったり、発達系が人格系に変貌したりする現象があるのです。

ほとんどの場合は身近にいる重要な人物の影響で、仕方なく変わってしまいます。

発達系だった人が自分本来の姿を抑えて人格系として振る舞う。人格系だった人が自分本来の姿を殺して発達系として振る舞う。これは、さまざまな意味での苦痛をともないます。

親子のケースで見てみましょう。

人格系の親と発達系の子どもがいます。人格系の親から見ると、発達系の子どもはマイ・ペースすぎるように感じられ、心配を搔き立てられます。将来自分の子どもが困らないように、しつけに入れ込むことになりがちです。

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よかれと思って、しつけに入れ込んだ親に罪はありません。人格系の親の立場からすれば、誰もが社会に適応するために備えておくべき行動を教えているにすぎません。むしろ当たり前と言ってもいいかもしれません。

 

その結果、一見、品行方正で周りの顔色をうかがう子どもに変わっていきます。ところが、これは子どもにとってはかなり苦痛です。発達系の子どもが人格系の親の求める水準を身につけるのは、たいてい「過剰適応」に等しくなります。過剰適応とは、無理をしてでも適応しようとしてしまう状態のことです。

適応を迫る親の圧は常に重苦しく発達系の子どもに迫ってきます。親の言うことを聞かないと、自分にとってさまざまな不都合が起きますから、子どもは生き延びるために過剰適応して人格系の仮面をかぶります。

もちろん、極端な発達系の子どもなら仮面をかぶるのさえ難しいかもしれません。しかし、そこまででもない発達系であれば、自分のなかに少々は備えていた人格系の要素を総動員するわけです。

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