これまでメディアのメインストリーム(主流)といえばテレビだった。しかし近年、特に若い世代にとって、もはやYouTubeをはじめとする動画系SNSこそが実質的なメインストリームであるといっても過言ではない。そしてここ数年では、人気YouTuberがテレビに“逆輸入”される現象も起こっている。

個人が自由に表現できるネット動画では、アクセスを稼ぐためにインパクトや過激さを追い求めがちで、危険な行為やヤラセ、暴言を披露する動画が後を絶たない。大人気YouTuberのラファエルが1年ほど前、「動画の99%はヤラセ」と公言し世間を驚かせたことも記憶に新しい。

YouTube上の動画すべてが過激なわけではないが、インパクト勝負の世界がメインストリームになっていく流れに、私たちはどう向き合えばいいのか。

そんな問いにヒントを与えてくれる映画『メインストリーム』が10月8日に公開される。一般人の若者がYouTuberとして台頭していき自分自身を失っていくあり様を、アンドリュー・ガーフィールドや、イーサン・ホークとユマ・サーマンの娘であるマヤ・ホークといった旬のキャストによってスタイリッシュに風刺した作品だ。

『メインストリーム』
20代のフランキー(マヤ・ホーク)は映像作品をYouTubeにアップしながら、LAのさびれたコメディバーで生計を立てていた。ある日、天才的な話術の持ち主・リンク(アンドリュー・ガーフィールド)と出会い、そのカリスマ性に魅了された彼女は、男友達で作家志望のジェイク(ナット・ウルフ)を巻き込んで、本格的に動画制作をスタートする。 自らを「ノーワン・スペシャル(ただの一般人)」と名乗るリンクは瞬く間に人気YouTuberとなり、3人はSNS界のスターダムを駆け上がってゆく。しかしいつしか、リンクの野心は狂気となって暴走し、決して起きてはならない衝撃の展開を迎えるーー。
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監督を務めたのは、ハリウッドのロイヤルファミリー、コッポラ家の5代目、ジア・コッポラ。『ゴッドファーザー』で知られる巨匠フランシス・フォード・コッポラ監督の孫で、『ヴァージン・スーサイズ』や『ロスト・イン・トランスレーション』で有名なソフィア・コッポラ監督は彼女の叔母である。

ジア・コッポラ監督

ハリウッドの“メインストリーム”であるコッポラ家の新星が、新興勢力であるYouTuberを“メインストリーム”として描いた点に時代の流れを感じてしまう本作は、ポリティカル・コレクトネスが“サイバーブリング(ネットいじめ)”という暴力へ変化する現象を浮き彫りにしている点も興味深い。ジア・コッポラ監督に、本作に込めた思いについて聞いた。