優先順位は低い?

改めて番組を見直しましたが、片山さんが最初に「違和感がある」とおっしゃっていたのが、優先順位の問題でした。コロナでこれだけ経済的に困窮している女性たちがいて、DVの被害も増加しているのに、なぜ突然この議論が盛り上がったのか。今はコロナ対策が優先すべきことだろう、と。

おっしゃる通り、コロナは特に女性たちに多大な影響を与え、その深刻さから「女性不況」とも言われます。コロナで影響を受けた小売、飲食、観光業はもともと女性の雇用が多かったこと、非正規雇用者の7割が女性であることから、相次いだ雇い止めなど雇用における影響は男性の1・4倍という調査結果もあります。またDVによる被害や、若い女性たちの自殺の急増なども報告されています。こうした女性たちへの救済はすぐにでも、もっと幅広くやっていただきたいと思います。

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ですがなぜ、このコロナ対策と夫婦別姓を同列に論じる必要があるのでしょうか。片山さんは「道を歩いていても誰からも(別姓導入について)聞かれない」「別姓制度を導入したからと言って、収入が上がるわけでもない」、だから優先順位は低いとおっしゃっていました。

2020年12月に発表された第5次男女共同参画基本計画策定に当たっては、若い世代を中心としたプロジェクト「#男女共同参画ってなんですか」が別姓制度導入を求める3万もの署名を提出しています。5600件以上集まったパブリックコメントでも、別姓に「反対意見はなかった」と、当時の橋本聖子男女共同参画担当相は国会で答弁しています。

2019年9月に組閣した第4次2次安倍内閣で東京オリンピック・パラリンピック競技大会担当、女性活躍担当、内閣府特命担当大臣(男女共同参画)となった橋本聖子氏 Photo by Getty Images

この男女共同参画基本計画は5年ごとに見直されるものです。第4次計画には「男女共同参画の視点に立った社会制度・慣行の見直し」の具体的な取組として「選択的夫婦別氏導入」が盛り込まれていたので、第5次計画ではより導入に向けた具体策を盛り込んで欲しい、そのために国会審議を求める議論が盛り上がるのは当然ではないでしょうか? 今回前進しなければ、次は5年後なのですから。

選択的夫婦別姓・全国陳情アクション事務局長の井田奈穂さんにも番組を見てもらった感想を聞いたところ、「パブリックコメントを見てもこれだけ多くの人が導入を求めているのに、それを立法に携わる人が無視するのはおかしい。道を歩いていても誰も聞いてこないからと、求める声をなかったことにしないで欲しい」と。本当にそう思います。