News Picksの討論番組「2 Sides(トゥー サイズ)」は加藤浩次さんをMCに、ひとつのテーマに対して賛成・反対両方の意見を持つふたりが意見をたたかわせる番組だ。2021年9月6日に公開したテーマが「選択的夫婦別姓」。賛成派としてジャーナリストの浜田敬子さんが、反対派として片山さつきさんが出演し、議論をたたかわせた。

10月31日の投開票が決まった衆議院議員選挙でも争点のひとつになるであろう「選択的夫婦別姓」、反対派の意見に違和感を抱いたという浜田さんに改めて片山氏の発言の本意を考察いただいた。

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片山さつき氏への手紙

拝啓 片山さつき様

その節は選択的夫婦別姓をめぐるNewsPicksの討論番組「2 Sides」で、お世話になりました。

片山さんとお話させていただいた後、すぐに自民党では総裁選が行われ、くしくも各候補者の夫婦別姓制度についての考え方の違いが注目を集めました。片山さんが推薦人になられていた高市早苗さんが反対なのは織り込み済みでしたが、リベラル派を自認する派閥トップの岸田文雄さん(その後首相に)が、かつては「選択的夫婦別氏(別姓)制度を早期に実現する議員連盟」に参加しながらも、総裁選では「子どものことを考えた時、国民の幅広い理解を得るには議論が必要」と何とも歯切れの悪かったのが印象的でした。あの歯切れの悪さこそが、この問題がなぜいまだに前進しないのかを象徴しているようにも見えました。

実は片山さんと番組で選択的夫婦別姓について賛成の立場から議論をしてほしいという依頼がきた時、一度は断ろうと思いました。当日スタジオに入ってもどんよりと重い気持ちで、「あー、引き受けなければよかったかな」と思っていました。テレビなどの討論番組で舌鋒鋭く切り込まれる片山さんにとても太刀打ちできないだろうし、私以上にロジカルに賛成派の立場を説明できる適任者は他にもいるだろうと。でも躊躇していた理由として一番大きかったのは、果たして議論になるのだろうか、という懸念でした。これまで反対・慎重派の方のインタビューを読んだ限り、いつも賛成・反対両者の言い分はことごとくすれ違い、かみ合っていないように思えたからです。

それでも出演を引き受けたのは、一度反対・慎重派の人の主張をじっくり聞いてみたかったからです。これまで見てきた反対派の主張は、
「夫婦の苗字が違えば子どもに影響が出る」
「家族の絆が壊れる」
「旧姓の通称使用を拡大すれば十分」
というものが中心です。実際2020年11月に片山さんや高市さん、山谷えり子さんが発起人となり結成した議員連盟「『絆』を紡ぐ会」では、「夫婦同姓は子育てや夫婦親族の相互扶助の環境づくりの土台」とし、旧姓の通称使用を拡充することを求めた提言書を出されました。

「絆議連」とも呼ばれるグループですが、その主張を聞いた時も思ったのです。

本当にそれが反対する「本音なのですか」と。

選択的夫婦別姓という制度は、今の民法を改正して、結婚後に夫婦全員が別姓になるというものではありません。あくまでも別姓を望んだ人だけが選択できるものにもかかわらず、なぜここまで自民党の保守派と言われる人たちは強硬に反対するのか。反対の理由を見ても、それが理由? と思うことが多く、何か他に「本音」があるのではと感じていました。それをぜひ聞きたいと思いました。

番組から1ヵ月経ち、総裁選の議論も聞いて、片山さんがおっしゃていたことへの疑問や、あー、こう話せば良かった、とずっとモヤモヤした気持ちが残っています。さらに、あの番組を見た多くの人たちから感想もいただいたので、改めて整理してみたいと思います。