「45歳定年制」が波紋…そもそも「正社員」の地位は会社によって守られすぎている

「甘え」の存在
赤木 智弘 プロフィール

「雇用の確保」の問題点

2つめの理由は労働力が流動化され、企業が45歳定年制などを含めて正社員のクビを容易に切れるようになれば、「雇用の確保」を理由に行政が企業に様々な助成金や補助金を出す必要性が無くなることが挙げられる。

企業は正社員を雇いたくない。一方で行政は失業者に生活保護などを出したくないので、企業に雇用を促すために雇用助成金などを出すことになる。

また地元の雇用を増やそうと、企業を誘致するために様々な便益を企業に対して図るのである。

しかし、企業が正社員をいつでも解雇できるという事になれば、少なくとも行政は雇用のために企業に便益を図る必要は無くなる。

photo by iStcok

そもそも社会保障の一種である生活保護を出し渋り、社会保障を企業の雇用に委ねるのは行政の怠慢である。

日本の生活保護の補足率、生活保護を受けるべき人のうち、どのくらいの人が保護を受けているかという数字は、22%程度と言われている。つまり生活保護は社会保障として十分に機能を果たしていない。

 

こうした現状が放置されているのは、行政が社会保障の役割を雇用、つまり企業に押しつけているからである。

企業が社会保障の役割を果たしてくれるという幻想に、行政が浸っているようでは困るのである。

企業の役目は業績を上げることであり、社員の雇用を守ることでは無いはずだ。

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