バイデン政権では中国発の経済混乱を防げないと思えるこれだけの不安

米国内も政権内もグリップは緩く
大原 浩 プロフィール

トランプ政権バージョン0.1

また、トランプ氏の移民政策に対してまるで「人でなし」のような批判をしていたバイデン氏と副大統領のカマラ・ハリス氏である。しかし、9月10日公開「菅義偉の次はバイデンか…『棚ぼた大統領』が世界にもたらす混迷」3ページ「ブ―メラン政権」で述べたように、「バイデン氏が歓迎と宣伝して当選」したことから国境に殺到する難民に対して、ハリス氏は「来ないで!」と叫んでいる。さらには、米国境警備隊が、ハイチからの避難民1万人以上を、鞭を振り回しながら馬で追い返しているのだ。

また、パンデミック対策についてもトランプ氏の手法を痛烈に批判していたが、どのようにひいき目に見てもトランプ政権以上の働きはしていない。さらに、「武漢研究所流出説の再調査」の発表にもがっかりせざるを得ない。

「バラマキ」についてはトランプ政権以上になるかもしれないが、この政策は将来の米国のことを考えれば明らかにマイナスだ。民主党穏健派からの抵抗もあって、「債務上限問題」が紛糾し、米国のデフォルト(債務不履行)もあり得る状況に陥っている。

結局トランプ政権の方針を大部分において継続しているのがバイデン政権であり、しかもその内容は相当劣化している。

つまりバイデン政権は、「トランプ政権2.0」でさえなく、バージョンダウンした「トランプ政権0.1」ということだ。

オバマ政権の副大統領時代からバイデン氏を個人的に良く知っている習近平氏がバイデン氏大統領当選の祝辞をおくるタイミングが遅れたのも「バイデン氏は簡単に手玉にとれるから適当にあしらっておけば良い。怖いのはトランプ氏だ。それに諜報活動を通じて『本当の選挙結果』を知っているから、『リスクは犯せない』」と考えた結果なのかもしれない。

 

実際、米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長が、上官である大統領を差し置いて共産主義中国側に電話で「中国軍に対して攻撃の意図はない」と伝えた国家反逆罪に当たるような行為をバイデン氏はかばっている。

これでは習近平氏からなめられるのも当然だ。

いずれにせよ、「居眠りジョー」がこれからやってくると考えられる米国の未曽有の危機に対処できるとは到底思えない。

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